金子徳好

金子徳好

金子徳好（かねこ とくよし、1924年7月24日 - 2007年11月26日）は、日本の反戦活動家、平和運動家、そしてミニコミ研究家として知られています。東京都渋谷区で生まれ、戦後の日本社会において、平和への強い願いと地域社会への貢献を追求し続けました。

生涯と活動

東京高等農林学校（現在の東京農工大学）を中退後、金子は渋谷でローカル新聞を主宰しました。その後、労働組合の書記（全銀連）を経て、日本機関紙協会に勤務。1965年からは、「アメリカはベトナムから手をひけ」と書かれたゼッケンを身につけ、8年間にわたり通勤するという行動に出ました。このゼッケンを着けた日々は、1974年に『ゼッケン8年』（朝日新聞社）として出版され、彼の平和への強い意志を示す記録となりました。

1981年10月には、核廃絶を訴えるため再びゼッケン通勤を開始し、1984年の広島原爆忌まで続けました。退職後は、地域のミニコミ活動に力を注ぎ、地域からの平和運動を研究・促進。港区長選挙への立候補経験もあります。

2007年11月26日、金子は三鷹市の病院で心筋梗塞により亡くなりました。83歳でした。

家族

妻の金子静枝は切り絵作家であり、徳好との共著で画文集『東京わが町』や『きり絵でつづるある夫婦の戦後史』などを出版しています。長男は映画監督の金子修介、次男は脚本家の金子二郎であり、芸術一家でもありました。

著書

金子は、自身の活動や思想を多くの著書を通じて社会に伝えました。

『ぼくは組合1年生』(丹下洋一共著、新興出版社、1963年)
『ゼッケン8年』(朝日新聞社、1974年)
『きり絵でつづるある夫婦の戦後史』(金子静枝共著、日中出版、1977年)
『反核でゼッケン』(草友出版、1982年)
『ミニコミ道場 - その発想法から編集方法まで』(草友出版、1982年)
『自分たちのネットワーキング - メディアのつくり方』(広樹社、1987年)
『東京わが町 - きりえ画文集』(金子静枝共著、新日本医学出版社、1993年)
『東京わが町 - きりえ画文集 (続)』(金子静枝共著、新日本医学出版社、1995年)

これらの著書は、彼の平和への情熱、地域社会への深い愛情、そしてメディアを通じた社会変革への信念を今に伝えています。

ミニコミ研究家として

金子は、地域に根ざした情報発信の重要性を早くから認識し、ミニコミの研究と普及に尽力しました。『ミニコミ道場』などの著書を通じて、その発想法から編集方法まで、具体的なノウハウを提供し、多くの人々に影響を与えました。彼の活動は、地域メディアの可能性を追求し、市民社会の発展に貢献するものとして評価されています。

まとめ

金子徳好は、反戦・平和運動、ミニコミ研究を通じて、社会に貢献した人物です。彼の行動と著書は、平和への願い、地域社会への愛着、そして情報発信の重要性を私たちに教えてくれます。彼の遺志は、今後も多くの人々に受け継がれ、社会をより良い方向へ導く力となるでしょう。

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