金山彦神

金山彦神（かなやまひこのかみ）

金山彦神は、日本神話に登場する神様で、主に鉱山を司る神として知られています。『古事記』では金山毘古神、『日本書紀』では金山彦神と表記され、共に「かなやまひこのかみ」と読みます。

神格

金山彦神は、鉱山の神として信仰されており、同じく鉱山の神である金山毘売神（かなやまびめのかみ）と対をなす存在です。「金山」という名前は、一般的に鉱山を意味すると解釈され、この二柱の神は鉱山や金属資源を守護する神と考えられています。

誕生

神話によると、金山彦神はイザナミが火の神カグツチを産んだ際に、火傷を負って苦しんでいる中で吐き出した嘔吐物から生まれたとされています。『古事記』では、この時、金山毘古神と金山毘売神の二柱の神が同時に生まれたと記されていますが、『日本書紀』の第三の一書では、金山彦神のみが生まれたとされています。

信仰

金山彦神は、全国各地の金山神社で祀られており、鉱山関係者や金属加工業者などから厚く信仰されています。主な神社としては、岐阜県垂井町の南宮大社（金山彦神）、南宮御旅神社（金山姫神）、島根県安来市の金屋子神社、宮城県石巻市金華山の黄金山神社、京都府京都市の御金神社及び幡枝八幡宮末社の針神社などが挙げられます。

これらの神社では、金山彦神の御神徳により、鉱山における安全や金属資源の恵みがもたらされると信じられています。また、金属に関連する仕事や事業の繁栄を祈願する人々からも、広く信仰を集めています。

その他の情報

金山彦神は、鉱山や金属に関わる神であることから、鍛冶の神である天目一箇神（あめのまひとつのかみ）や、金属加工の神であるイシコリドメと関連付けて語られることもあります。また、鉱山や金属資源の守り神であることから、豊穣の神であるアマツマラとも関連付けられることがあります。

金山彦神は、日本の産業や文化を支える金属資源の恵みをもたらす重要な神として、今日でも多くの人々に信仰されています。

関連する神々

アマツマラ: 豊穣の神。
イシコリドメ: 金属加工の神。

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