イシコリドメ

イスコリドメ

伊斯許理度売命（いしこりどめのみこと）は、日本神話に登場する女神です。主に鏡作りの神として知られ、作鏡連（かがみづくりのむらじ）らの祖神とされています。

神話における記述

『古事記』では伊斯許理度売命、『日本書紀』では石凝姥命または石凝戸辺と表記されます。神話の中では、以下の様な役割を担っています。

岩戸隠れ: 天照大神が天岩戸に隠れた際、八咫鏡を作りました。この鏡は、天照大神を岩戸から誘い出すための重要な役割を果たしました。
天孫降臨: 邇邇芸命が地上に降臨する際、天児屋命、太玉命、天宇受売命、玉祖命と共に五伴緒神として随伴しました。
天糠戸命との関係: 『日本書紀』などでは、天糠戸命の子とされています。天糠戸命の出自ははっきりしていませんが、『大倭神社註進状』の裏書によれば大山祇命の子とも伝えられています。

日前神宮・國懸神宮（和歌山市）には、八咫鏡に先立って鋳造されたとされる日像鏡・日矛鏡があります。日像鏡は日前神宮の神体、日矛鏡は國懸神宮の神体として祀られています。

名義の解釈

神名の「コリ」を凝固、「ド」を呪的な接尾語、「メ」を女性と解釈し、「石を切って鋳型を作り、溶鉄を流し固まらせて鏡を鋳造する老女」の意味とする説があります。これは、イスコリドメが鏡作りの神として深く関わっていることを示唆しています。

信仰

イスコリドメは、鋳物や金属加工の神として信仰されています。主に以下の神社で祀られています。

鞴神社（大阪府大阪市天王寺区）
中山神社（岡山県津山市）
鏡作坐天照御魂神社（奈良県磯城郡）
岩山神社（岡山県新見市）

これらの神社では、金属に関わる技術の向上や安全を祈願する人々から信仰を集めています。

関連事項

日本の神の一覧
* 天岩戸

イスコリドメは、日本の神話において重要な役割を果たし、現代でも金属加工の神として信仰されている神様です。その名は、日本の金属加工技術の発展と深く結びついています。

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