金峯神社 (吉野町)

金峯神社について

金峯神社（きんぷじんじゃ）は、奈良県吉野郡吉野町に位置する重要な神社であり、吉野山の最奥にある青根ヶ峰付近に位置します。この神社は、吉野山の地主神である金山毘古命（かなやまひこのみこと）を主祭神として祀っています。また、式内社（名神大）でもあり、かつては郷社の格を有していました。

歴史的背景

金峯神社の創建時期や詳細な経緯については明確に記録されていませんが、中世以降には修験道の修行場として知られてきました。特に、『栄花物語』には平安時代の貴族藤原道長がこの神社に参拝したことが記されています。明治時代以前は、神仏習合が進んでおり、「金精明神」という名前で呼ばれ、阿閦如来や釈迦如来、大日如来（金剛界）の本地仏が存在していました。金峯山は「黄金を蔵する山」として信仰されていたため、この名称が用いられたと考えられています。

境内の特徴

境内にはいくつかの重要な建物や文化財が存在し、その中には

• - 本殿
• - 拝殿：この拝殿は、吉野神宮から移築された建物です。
• - 義経隠れ塔：大正時代初期に再建されたこの塔は源義経が追っ手から逃れるために隠れた伝説があり、「蹴抜の塔」とも呼ばれています。

文化財

金峯神社が有する重要な文化財には、以下のようなものがあります。

• - 国宝：金銅藤原道長経筒。1952年に国宝に指定されたこの経筒は、表面に「寛弘四年八月十一日」という年記が刻まれており、藤原道長が埋納したものであることが分かります。鍛銅製であり、銘文には道長の日記とも一致する重要な情報が記載されています。
• - 重要文化財：大和国金峯山経塚出土品（8点一括）として指定されているこれらの品々は、1953年に重要文化財に指定されました。

さらに、金峯神社の境内は国指定の史跡「大峯奥駈道」の一部でもあり、訪れる人々に歴史的な重要性を強調しています。

アクセス

金峯神社へのアクセスは、近鉄吉野線の吉野駅からロープウェイを利用し、「吉野山」で下車した後、徒歩で約1時間45分かかります。また、吉野山駅からはバスで「奥千本口」に行き、そこからは徒歩で5分ほどで到着できます。

まとめ

金峯神社は、頼朝から逃れようとした義経の伝説や藤原道長との関係など、豊かな歴史や文化を持った神社です。ユネスコの世界遺産に登録されているこの神社は、訪れる価値がある場所と言えるでしょう。

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