金峰 (周南市)

金峰（みたけ）

金峰は、日本の山口県周南市に存在する地名であり、1955年から2003年の周南市発足以前は、徳山市と都濃郡鹿野町にわたって位置していました。周南市の中心部から約16キロメートル離れ、車でおよそ45分の距離にあるこの地域は、山が多くを占める典型的な過疎地域です。この地域では、果樹やワサビ、シイタケといった農産物の栽培が盛んであり、自然と共存した生活が見受けられます。

地理

金峰の地形は、東側には錦川が北流し、西部から中部にかけて金峰川という支流が東流しています。地域の交通網は、国道434号が東部で錦川と並走しており、主要地方道である県道9号徳山徳地線が東西に通ります。また、鹿野町とのアクセスには金峰峠（標高480m）を利用しています。地元の集落の一つである郷では、2013年時点で携帯電話の利用ができない状態にあり、高齢者を大半を占める「限界集落」として知られています。

行政区

周南市の地域別人口統計によれば、金峰は主に旧鹿野町と旧徳山市に分かれて人口が把握されています。ここでは、数世帯からなる集落が点在し、全体の人口は非常に少なくなっています。

• - 旧鹿野町

- 奥谷：6世帯9人
- 郷：8世帯14人
- 菅蔵：13世帯23人

• - 旧徳山市

- 兼田：11世帯19人
- 小田原：3世帯5人
- 楽々谷：3世帯3人
- 長渡路：11世帯18人
- 中原：38世帯72人
- 朴：7世帯12人
- 松室：18世帯37人

歴史

この地域は、江戸時代には萩藩（毛利氏）の所領となり、地域の支配には山代宰判が関与していました。寛延2年（1749年）には金峰村の総人口が585人であったことが記録されています。1889年には周囲の須万村と合併し、都濃郡須金村が設立され、金峰はその一部として位置づけられました。その後、1955年に須金村が分割され、金峰は鹿野町と徳山市に編入されました。2003年にはこれらの地域が合併して周南市が発足し、金峰はその一部となりました。

また、金峰では2013年に発生した山口連続殺人放火事件が記憶に新しい大事件です。この事件は、地域の生活に大きな影響を及ぼしました。

教育

金峰には、1875年に設立された須磨小学の支校がその歴史の始まりです。その後、金峰小学校として1892年に独立しましたが、1978年には鹿野小学校金峰分校に統合され、2003年には完全に廃止されました。跡地には金峰杣の里交流館が建設されましたが、現在は利用されていない状況です。中学校についても、地元教育機関として須金中学校金峰分校が1947年に設立されたものの、1950年代に鹿野中学校へ統合されています。

神楽

金峰地域には神楽座が存在し、7年ごとに「吉野御能くずし」が奉納されていました。しかし、1987年には後継者不足に直面し、活動の継続が危ぶまれています。

公共交通

周南市街と須金（須万）を結ぶバス路線は防長交通によって運行されています。金峰では国道434号沿いを走るバスが存在し、平日や休日に一定の運行回数があります。以前は岩国市からのバスもありましたが、現在は廃止されています。この地域では、予約制の乗合タクシー「ふれあい号」が平日と土曜日に運行しています。

このように金峰は歴史的背景や地理的な特徴を持ちつつも、厳しい過疎化の現状に直面している地域です。

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