金峰神社 (京丹後市)

金峰神社の由緒と歴史

京都府京丹後市峰山町吉原に鎮座する金峰神社は、里宮を桜尾公園に、奥宮を権現山（吉原山）に構える神社です。この神社は、古くから地域の人々に崇敬されてきました。

祭神

主祭神は金山彦命（かなやまひこのみこと）です。また、以下の神々も合祀されています。

品陀和気命（ホムダワケノミコト）- 八幡神社
大国主命（オオクニヌシノミコト）- 大国天社
天照大神とスサノオ命の誓約により生まれた8神 - 雄金神社
大山祇命（オオヤマズミノミコト）- 大山祇神社
倉稲魂命（ウガノミタマノミコト）- 稲荷神社

歴史

奥宮のある権現山は、かつて山祇山と呼ばれ、農耕の神として信仰されていました。この山には和泉式部が和歌を詠んだという伝説も残っています。14世紀には既に山ずみ神が祀られていたとされ、「峰山最古の神社」とも言われています。

江戸時代に入ると、峰山藩初代藩主の京極高通が峰山陣屋を築き、その後、峰山藩が立藩されました。寛永14年（1637年）には、京極高通の霊夢により、権現山の吉原山城に蔵王権現が祀られるようになりました。この蔵王権現は、奈良県吉野町の「金峯神社（きんぷ）」の末社であり、その縁から権現山は「峯山」とも呼ばれるようになりました。

その後、蔵王権現は度々再興され、藩主からの信仰も厚く、享保14年（1729年）には神輿が寄進されました。特に、家老の高木彦左衛門信澄は、藩の財政難を救うため、蔵王権現に祈願し、その結果、藩に大きな利益をもたらしました。高木は、70歳を超えても山頂の権現社への参拝を欠かさず、藩のために尽力しました。

明治維新後、神仏分離の際に蔵王権現は金峰神社と改称されました。この際、大和国吉野山の金峯山寺にある蔵王権現の山号を取り、「金峯」を「金峰」と読み替えたとされています。明治4年（1871年）には、社領と神職の手当てが廃止されましたが、その後も地域の人々に支えられ、存続しました。

大正11年（1922年）には本殿が修築され、雄金神社が統合されました。しかし、昭和2年（1927年）の北丹後地震で倒壊し、府営の仮設神殿に一時的に安置されました。その後、昭和5年（1930年）に現在の場所（里宮）に遷宮されました。遷宮の際には、山の上から火の玉が現れ、神殿の上空で分かれて消えたという伝説も残っています。

年中行事

金峰神社では、以下の例祭が執り行われています。

金峰神社例祭：子供の日の5月5日に行われる例祭で、神輿渡御が行われます。神輿は「おみっこさん」と呼ばれ、地域の人々に親しまれています。また、9月15日には八幡大神と大黒天神の例祭も行われます。
金刀比羅神社神輿渡御祭：毎年10月には、金刀比羅神社の神輿渡御祭が行われ、金峰神社は御旅所として、神輿を迎えます。

境内

金峰神社里宮
本殿：一間社流造、銅板葺。大正11年頃の建築
割拝殿風建物：入母屋造、銅板葺。
鳥居
* 稲荷神社（境内社）

金峰神社奥宮

権現山の山頂には、小さな祠と鳥居が残っています。雄金神と山祇神が合祀されています。権現山は、権現山京都府歴史的自然環境保全地域に指定されています。

桜尾公園

里宮がある桜尾公園は、明治44年（1911年）に金刀比羅神社勧請100周年を記念して整備された公園です。かつて吉原山城の砦があった場所で、細川興元の武将である正源寺大炊介が多数の桜を植えました。また、細川幽斎もこの地を訪れたと伝えられています。江戸時代には、峯山藩4代藩主の京極高之も桜を植え、石塔婆を移設しています。

交通アクセス

京都丹後鉄道宮豊線峰山駅から徒歩でアクセスできます。


金峰神社は、地域の歴史と文化を今に伝える貴重な存在です。祭事や境内を訪れることで、歴史と自然を感じることができます。

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