金弘集 (政治家)

金 弘集 (きん こうしゅう)

金弘集（1842年8月11日 - 1896年2月11日）は、李氏朝鮮末期における政治の重要な人物であり、内閣総理大臣としてその名を知られています。彼の政権下では、朝鮮の近代化を推し進める「甲午改革」を実施しましたが、親露派によるクーデターにより命を落としました。

生涯と初期の経歴

金弘集は道光22年（1842年）、慶尚道慶州で生まれました。初めての名は金宏集で、文科において進士の資格を取得したのは同治6年（1867年）です。光緒6年（1880年）には朝鮮の修信使として日本を訪れ、国際関係において重要な役割を果たしました。光緒8年（1882年）には、壬午軍乱後の済物浦条約において、朝鮮側の副官として日本側と交渉しました。さらに同年10月、天津にて中朝商民水陸貿易章程が結ばれ、その際金弘集も署名者の一人として名を連ねました。

近代化の推進

金弘集は、朝鮮の近代化の必要性を強く認識していました。彼は、開国503年（1894年）から始まった「甲午改革」を通じて、政治機構の改革を進め、科挙制度の廃止や財政の見直しを図りました。1895年1月7日には、近代的な政治改革の基本原則を定めた「洪範14条」を発表し、これは政権の新しい方針を示すものでした。

しかし、同年10月8日に発生した乙未事変において、金弘集は穏便な解決策を模索し、結果として民衆からの支持を失ってしまいます。さらに、同年3月25日から始まった乙未改革において推進された断髪令は、保守派からの激しい反発を招きました。

クーデターとその結末

建陽元年（1896年）には、親露派の両班たちが反金弘集の立場をとり、民衆を扇動してクーデターを引き起こします。「中華を尊んで夷狄を攘う」といったスローガンのもと、民衆は蜂起し、高宗もロシア公使館への逃亡を選びました。金弘集は、自らの信念に従い民衆の手によって命を奪われ、その遺体は侮辱的な扱いを受けました。

彼の死後、親露政権が樹立されましたが、これは実質的にロシアの傀儡政権として機能しました。これにより、日本は自国の安全保障に対する懸念を強め、結果的に日露戦争へとつながる動きとなりました。

まとめ

金弘集は、その生涯を通じて朝鮮の近代化に尽力しましたが、政治の激動の中で命を落とした悲劇の人物でもあります。彼の改革の試みや最期の出来事は、李氏朝鮮の歴史における重要な一幕を形成しています。

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