金文洙

金文洙（キム・ムンス）の政治家としての軌跡

金文洙（キム・ムンス、1951年8月27日 - ）は、大韓民国の政治家であり、元労働運動家です。慶尚北道永川市で生まれ、1970年代から1980年代にかけて労働運動に身を投じました。民主化後、民衆党に参加しましたが、後に民主自由党に移籍し、政治家としてのキャリアをスタートさせました。

国会議員から京畿道知事へ

1996年、第15代総選挙で初当選し、国会議員として政界入りしました。その後、2006年には京畿道知事選挙で当選し、第4代民選知事を務めました。2010年の選挙でも再選を果たし、2期8年にわたり京畿道知事を務めました。

大統領選への挑戦と挫折

2012年には大統領選挙への出馬を表明しましたが、セヌリ党の党内予備選で朴槿恵に敗れました。その後、2014年にはセヌリ党の保守革新委員長に就任し、党の改革に取り組みました。

その後の政治活動

2016年の第20代総選挙では大邱市寿城区甲選挙区から立候補しましたが落選。2018年のソウル市長選挙でも惨敗を喫しました。その後、太極旗集会に参加し、保守系市民団体での活動を経て、2020年に自由統一党を創立し代表に就任しました。その後、自由共和党の共同代表も務めましたが、後に離脱しています。

雇用労働部長官への就任

2022年には経済社会労働委員会委員長に就任しましたが、元労働運動家であるにもかかわらず、過去の言動から労働界の反発を受けました。2024年、雇用労働部長官に指名され、同年8月29日に任命されました。

主張と人物像

金文洙は、北朝鮮の人権問題に積極的に取り組み、北朝鮮住民の人権擁護活動を行っています。一方で、過去には日本統治時代の朝鮮の国籍を「日本」と主張したり、済州四・三事件を「南労党暴動」と表現したこともあります。

来歴

1970年：ソウル大学校商科大学経営学科入学
1971年：不正腐敗清算全国学生デモで除籍
1970年代：農民運動、労働運動に従事
1974年：清渓川被服工場で勤務、民青学連事件関連で除籍
1976年～1980年：全国金属労働組合、ハンイルドルコ労組委員長
1980年：南営洞対共分室で拷問を受ける
1986年：仁川5・3直選制改憲闘争で拘束
1990年：民衆党九老甲地区党委員長、民衆党労働委員長
1992年：国会議員選挙に民衆党から出馬するも落選
1996年：第15代国会議員総選挙で初当選
2006年：京畿道知事に当選
2010年：京畿道知事に再選
2012年：大統領選挙に出馬表明、セヌリ党の党内予備選で落選
2014年：セヌリ党保守革新委員会委員長
* 2024年：雇用労働部長官に任命

エピソード

2011年、京畿道知事として対テロ訓練に参加した際、ライフル銃の扱いに不慣れな様子がネット上で話題となりました。これは、過去に中耳炎で兵役を免除されたことが影響しています。

結論

金文洙は、労働運動家から政治家へ転身し、国会議員、京畿道知事、雇用労働部長官を歴任した人物です。保守的な政治姿勢を持つ一方で、北朝鮮の人権問題に取り組むなど、多面的な側面を持っています。

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