金日成・金正日主義

金日成・金正日主義の紹介

金日成・金正日主義は、朝鮮民主主義人民共和国、すなわち北朝鮮における重要な指導思想の一つです。この思想は、主体（チュチェ）思想と並んで、国家の政治や社会の指針として位置づけられています。金日成と金正日、二人の指導者の理念を統合したものであり、主に金正恩によって体系化されてきました。

来歴

この思想の初めての具体的な言及は、2012年4月6日に金正恩が行った演説にさかのぼります。彼は朝鮮労働党中央委員会の責任幹部に対し、「朝鮮労働党の指導思想は偉大な金日成・金正日主義です」と発言しました。この演説は、金日成と金正日の革命思想を結びつけ、根本的な国家の指導原則とする意義を示すものでした。

演説の中で、金正恩は金正日が生前に言及していたことを引き合いに出しました。具体的には、金正日は「金日成の革命思想と金正日の革命思想を結びつけて」金日成・金正日主義と呼ぶことを許しながらも、自身の名前を党の指導思想に冠することを強く戒めていました。この点を明確にしたことで、金正恩は金正日を党の永遠の総書記として追認し、金日成・金正日主義の根幹をなす思想体系を旗印として掲げました。

組織内での体制の変化

金正恩は2012年4月11日に開催された第4回党代表者会において、金正日が担っていた朝鮮労働党総書記のポストについて、彼の名を今後も冠し続けることが必要だと述べました。この結果、金正日は党の総書記としての地位が永久的なものとされ、金正恩自らは第一書記として党の指導を継承しました。

また、朝鮮労働党の党規約も改正され、金日成・金正日主義が明記されました。この思想は主体思想や先軍政治を統合したものであり、北朝鮮における指導的な理念として正式に認められたのです。さらに、2013年には「党の唯一思想体系確立の10大原則」が改定され、「全社会の金日成・金正日主義化」が共産主義に代わる最高の指針となりました。

まとめ

金日成・金正日主義は、北朝鮮における政治的な枠組みを構成している重要な思想的基盤です。この思想は、金日成と金正日の理念を融合したものであり、金正恩が先導する政治的議論や意思決定に深く影響を与えています。そのため、この思想が北朝鮮の未来と国際的な立場に与える影響は、今後も注視されるべきでしょう。

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