金春洙

金春洙: 韓国文学の巨星

金春洙（キム・チュンス、1922年11月25日 – 2004年11月29日）は、韓国の詩人、文学評論家、国文学者、政治家として知られる重要な文化人です。彼の本貫は光山金氏で、慶尚南道の忠武市（現在の統営市）に生まれました。代表作には「花」や「ブダペストでの少女の死」があり、これらの作品は韓国の教科書にも収められています。

略歴

金春洙は1922年、慶尚南道の忠武で誕生しました。初めは地元の統営普通学校と京畿中学校を卒業し、日本大学の芸術科に進学します。しかし、1942年には不敬罪の疑いによって退学処分を受けます。その後、統営中学校や馬山高校の教師を経て、馬山の海印大学（現在の慶南大学校）や慶北大学校、嶺南大学校で教授として活動しました。

その後、文芸振興院の顧問や韓国詩人協会の会長など、多くの役職を歴任しました。また、1981年には与党の民主正義党から国会議員選挙に出馬し当選、議員活動を1期務めました。しかし、この時期に全斗煥に対する献呈詩を作成したことが後に汚点として残り、金春洙は「100%他意によるものだった」と弁明しています。さらに、韓国芸術院の会員やKBSの理事を務めるなど、幅広い分野で活躍しました。

詩の変遷

金春洙の詩は大きく四つの時期に分類できます。第一の時期は、「花」や「花のための序詩」といった存在を探求する作品に特徴づけられています。この頃、彼は存在と言語の関係について深く掘り下げました。第二の時期では、「埠頭にて」や「春の海」などの作品に見られるように、叙述的なイメージが強調され、50年代末から60年代前半にかけて描写の世界を追求しました。

第三の時期には、「處容斷章」といった作品が生まれ、脱イメージの世界がテーマとなります。最後の時期は、1970年代末から80年代初頭にかけて、宗教や芸術についての省察が中心となりました。1990年代の初めにはポストモダニズムの影響も見られます。

受賞歴

金春洙はその業績により多くの賞を受賞しています。1958年には韓国詩人協会賞、1959年には自由アジア文学賞、1966年には慶尚南道文学賞を受賞しました。さらに、1992年には銀冠文化勲章、1997年には大山文学賞、1998年には仁村賞、2000年には青馬文学賞を受賞し、2004年には素月詩文学賞特別賞が贈られました。

主な作品

金春洙の詩集には、1950年の『늪』(沼)や、1951年の『기』(旗)を始め、1959年には『꽃의 소묘』(花の素描)や『부다페스트에서의 소녀의 죽음』(ブダペストでの少女の死)など多くの著作があります。さらに、六十年代以降も『타령조 기타』(打令調、其他)、『처용』(處容)などの詩集を発表し続けました。また、詩論集も数多く執筆し、韓国の現代詩についての理解を深めるための重要な文献を提供しました。

金春洙はその創造力と豊かな表現で、多くの読者の心に深く刻まれており、彼の業績は今なお多くの人々に影響を与え続けています。彼の詩は、時代を超えて人々に感銘を与えており、韓国文学において重要な位置を占めています。

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