民主正義党に関する詳細
民主正義党(みんしゅせいぎとう)は、1980年に
大韓民国において成立した
政党であり、特に
全斗煥政権のもとで強い影響力を持ちました。この党は、
全斗煥が主導した新軍部勢力による
与党として、国の
政治に深く関わっています。略称は「民正党」として知られ、1997年に結成されたハンナラ党は、この党の流れをある程度引き継いでいます。
歴史的背景
民主正義党は、1980年11月25日にその創党を公式に宣言し、具体的な創党作業を開始しました。創党準備委員会が立ち上げられ、
1981年1月にはソウルの蚕室体育館で創党大会を開催しました。この際、
全斗煥大統領が初代総裁に選ばれ、党の理念として「民族・民主・正義・福祉・統一」の五つが掲げられました。
その後、
全斗煥は
1981年の第12代大統領
選挙で90.2%の得票率で当選し、同年の第11代総
選挙では過半数を獲得しました。しかし、
1987年の第13代大統領
選挙では
盧泰愚が当選したものの、翌年の総
選挙で党は過半数を割り込む事態に直面しました。これに危機感を覚えた党は、
1990年に
野党との合同を決定し、民主自由党(民自党)として再出発しました。
党の名称と政策
党名には「
社会正義を具現する」という
全斗煥の理念が反映されており、当初は強権的な
政策を取っていました。
政権掌握直後には、
非行少年や
ホームレスを強制的に収容する施策が取られました。党の組織は、総裁の下に代表議員、
事務総長、
院内総務、
政策委員長といった役職が存在し、時の大統領が
与党総裁を兼任することが一般的でした。
此外、
政権は特定の
政策でも自由化の動きを見せましたが、同時に反体制者に対する厳しい取り締まりが続けられました。その結果、
学生運動家などから「
殺人政党」との非難を受けることになりました。また、
1987年の
民主化宣言以降は、
政党は穏健な方向にシフトし、
社会民主主義政党の育成にも言及するようになりました。
選挙における党の動向
民主正義党は、設立当初から
1980年代を通じて韓国の
政権党として活動してきましたが、
政権交代の過程で徐々にその厳しい姿勢を緩和していきました。特に、
与党としての立場が弱まり、過半数を割り込んだ後の動きは、他党との協力を模索する姿勢を見せました。
多くの
選挙に参与しながらも、
選挙制度が
与党に有利に働く中で、必ずしも民意を反映した結果が得られないことも課題でした。これは、
政治におけるダイナミクスと連動しており、民主主義の深化や多様な
政治勢力の形成に対して新たな挑戦となっています。
参考文献
- - 韓国中央選挙管理委員会編『大韓民國政黨史 第3輯(1980年~1988年)』
関連項目
このように民主正義党は、
大韓民国の
政治史において重要な役割を果たしており、その影響は現代にも続いている部分があります。