金東鳴

金東鳴の生涯と業績

金東鳴（キム・ドンミョン、1900年2月4日 - 1968年1月21日）は、朝鮮の詩人、政治評論家、随筆家として知られています。彼は号を超虚（チョホ、초허）とし、別名として金東嗚（キム・ドンオ）とも呼ばれます。金は教職に就きながら、多くの抒情詩を残し、その作品には民族的悲哀が色濃く映し出されています。

幼少期と教育

金東鳴は江原道溟州郡の沙川面蘆洞里に生まれました。父親は金済玉、母は申錫愚で、一人息子として育てられました。幼少期は当地の書堂で漢文を学び、8歳の時に咸鏡南道の元山に引っ越し、そこで小学校に通い始めます。母の獲得した学費のおかげで、金は1915年に永生中学校を卒業し、1921年には東振小学校の教員としての道を歩み始めました。

教職に就く中で、玄仁圭との出会いを通じて文学への興味を深め、ボードレールの詩集を読んだことが彼の詩作の始まりとなりました。1923年には、詩「あなたがもし門をあけてくだされば」を発表し、文壇にデビューします。

日本留学と結婚

1925年、元山での学資援助を受けて渡日し、日本大学哲学科を経て、青山学院の神学科に入学しました。1926年には、忠州池氏の娘である池貞徳と結婚し、二人の間には長男や長女などの子供が誕生しています。

卒業後は元山に戻り、教員としての仕事を続けながら詩作に取り組みました。1934年から1938年には、私立学校の園長も務めることになりますが、次第に日帝の圧力が増し、自由に文を書くことができなくなります。1942年には筆を絶つ決断を下しました。

解放後の政治活動

1945年8月15日、朝鮮が解放された翌日には興南市の自治委員会の委員長に選ばれました。1946年には朝鮮民主党に参加し、咸鏡南道党部委員長として活動しますが、金日成の圧力によって党から追い出されることになります。この状況に恐れを抱き、1947年に単身越南し、遂にソウルに移り住みました。

そこでは韓国神学大学で教授職に就き、その後は梨花女子大学の教授として13年間教壇に立ち続けます。1955年には詩集『真珠湾』が第2回自由文学賞を受賞するなど、文筆家としても優れた業績を残しました。

晩年と死

1965年に高血圧や神経痛に悩まされるようになり、1968年1月21日に昏睡状態に陥ります。彼は南加佐洞で亡くなり、23日に文人葬で妻の李福順と共に忘憂里墓地に埋葬されました。彼の功績を称えるため、江原道江陵市には金東鳴詩碑が建立されています。

作品

金東鳴の作品には、詩集『내 거문고』（1930年）、『芭蕉』（1936年）、『하늘』（1947年）などがあり、特に彼の詩は民族や個人の苦悩を深く掘り下げた内容が特徴です。彼の遺した多数の作品は、現代に至るまで多くの人々に感動を与え続けています。彼の生涯と作品は、今なお私たちに新しい視点や思索をもたらすものであり続けています。

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