金森頼業

金森頼業は、17世紀中頃に活躍した飛騨高山藩の第5代藩主です。1648年に生まれ、1672年に24歳という若さで亡くなりました。

頼業は、第4代藩主であった金森頼直の長男として生まれました。母は本多忠義の娘であり、兄弟には金森近供、金森直清、金森重矩などがいます。正室には井上正任の娘を迎え、側室もいました。子には金森頼旹（長男）と金森重詰（次男）がいます。

1659年には将軍徳川家綱に拝謁し、1662年には従五位下飛騨守に叙任されました。1665年に父の死去に伴い藩主を継ぎました。

頼業の治世において特筆すべき出来事の一つが、神岡鉱山（茂住鉱山）を巡る事件です。当時、鉱山師として「金森」姓を名乗ることを許されていた茂住宗貞が鉱山を開発していましたが、頼業は茂住の贅沢な暮らしぶりを憎み、その下代である宮島平左衛門を高山城内で殺害しました。これにより、茂住は越前国に逃走し、鉱山経営は混乱、衰退したと伝えられています。

また、富山藩前田家との領土境界を巡り幕府に訴えを起こしました。この訴訟は頼業の死後、高山藩が勝訴しています。

頼業の死因については、城内で起こった怪異により病を得たという話も伝わっています。1671年12月28日、江戸の藩邸で24歳で亡くなり、跡は長男の頼旹が継ぎました。法号は「照見院殿覚峰宗圓大居士」で、墓所は当初は大隆寺にありましたが、後に京都市北区紫野大徳寺町の龍源院に移されました。

金森頼業は、若くして亡くなった藩主ではありましたが、鉱山経営や領土問題など、藩の運営において重要な出来事に関わった人物でした。彼の短い生涯は、当時の社会情勢や藩政の難しさを示すものとして、歴史の中で語り継がれています。

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