金沢エクスプレス号

金沢エクスプレス号：東京と金沢を結んだ高速バスの歴史

金沢エクスプレス号は、かつて東京都渋谷区のバスタ新宿と石川県金沢市を結んでいた昼行高速バスです。本記事では、この路線を中心に、関連する夜行便のドリーム金沢号、東京ディズニーランド・東京駅と金沢工業大学前を結んでいたグランドリーム金沢号、青春ドリーム金沢号についても詳しく解説します。

概要

この路線は、1988年12月に西武バスと北陸鉄道の共同運行で池袋 - 金沢線として開業しました。当初は2社での運行でしたが、翌年にはJRバス関東が、さらに1990年には西日本JRバスが参入し、4社共同運行となりました。2001年には、運行経路が関越自動車道・北陸自動車道経由から上信越自動車道経由に変更され、同時に新宿駅発着の夜行便が新設された際に「金沢エクスプレス」の名称が与えられました。

2004年には、JRバスが新宿 - 金沢間の昼行便「新宿昼特急金沢号」を新設しましたが、2006年に金沢エクスプレス号に統合されました。その後、2007年に北陸鉄道、2015年にJRバス関東、2020年に西武バスが撤退し、西日本JRバスの単独運行となりました。2020年6月には夜行便が「ドリーム金沢号」（2代目）に改称されましたが、同年12月に「金沢エクスプレス号」と「ドリーム金沢号」は運行を休止しました。

また、2005年には西日本JRバスが東京駅 - 富山・金沢間で「ドリーム金沢号」（初代）の運行を開始し、後にJRバス関東も参入しました。この路線には、4列シートの廉価版「青春ドリーム金沢号」も設定され、2016年には「グランドリーム号」仕様の車両が導入され、「グランドリーム金沢号」に改称されました。2020年のダイヤ改正で、グランドリーム号は東京側の起終点が東京ディズニーランドに変更され、バスタ新宿にも停車するようになりました。しかし、2023年4月には「グランドリーム金沢号」と「青春ドリーム金沢号」も運行を休止しました。

運行会社

西日本ジェイアールバス（金沢営業所）
ジェイアールバス関東（小諸支店）※金沢エクスプレス号・ドリーム金沢号は乗務員のみ

過去の運行会社

北陸鉄道（2007年6月30日まで運行）
西武バス（練馬営業所、2020年5月31日まで運行）

運行は途中交代制の完全ワンマン運行で、東部湯の丸SAから東京側をJRバス関東、金沢側を西日本JRバスが担当しました。北陸鉄道・西武バスは2人乗務でした。上信越道経由となる前は、JRバスも2人乗務でした。

運行経路

グランドリーム金沢号

東京ディズニーランド - 東京駅 - バスタ新宿 - （関越自動車道） - （上信越自動車道） - （北陸自動車道） - 富山駅前 - 金沢駅兼六園口 - 山環もりの里 - 金沢工業大学前

青春ドリーム金沢号

東京ディズニーランド - 東京駅 - （関越自動車道） - （上信越自動車道） - （北陸自動車道） - 富山駅前 - 金沢駅兼六園口 - 山環もりの里 - 金沢工業大学前

金沢エクスプレス号・ドリーム金沢号

バスタ新宿 - 池袋駅東口 - 下落合駅 - 練馬駅 - 川越的場 - 金沢駅前


下りドリーム金沢号は池袋駅東口・下落合駅・練馬駅・川越的場を経由しません。西武バスでは「金沢エクスプレス号」という名称は使用せず、「金沢線」という路線名称を使用していました。

休憩箇所

グランドリーム金沢号・青春ドリーム金沢号：上里SA・有磯海SAで休憩、東部湯の丸SAで乗務員交代、黒姫野尻湖PA・名立谷浜SAで乗務員休憩
金沢エクスプレス号・ドリーム金沢号：上里SA・小布施PA（昼行便のみ）・有磯海SAで休憩（西武バスは上里SA・松代PA・越中境PAで休憩）

運行回数

グランドリーム金沢号・青春ドリーム金沢号：夜行便各1日1往復

歴史

1988年12月：西武バスと北陸鉄道の共同運行で1日2往復で運行開始
1989年6月：JRバス関東参入、1日3往復に増便
1990年10月：西日本JRバス参入、1日4往復に増便
2001年8月：新宿駅発着系統新設、運行経路を上信越自動車道経由に変更、1日6往復に増便
2004年8月：新宿発着の昼行便新設、「新宿昼特急金沢号」、1日8往復に増便
2005年10月：「ドリーム金沢号」（初代）運行開始、東京駅発着、西日本JRバス単独運行
2005年12月：「ドリーム金沢号」にJRバス関東参入、2社運行
2006年11月：全便新宿発池袋経由に変更、「新宿昼特急金沢号」の愛称消滅、4往復を不定期便に格下げ
2006年12月：「ドリーム金沢号」の東京駅到着場所が日本橋口に変更
2007年7月：北陸鉄道が撤退、定期4往復、不定期2往復の1日6往復に減便
2010年3月：「青春ドリーム金沢号」運行開始
2010年7月：「ドリーム金沢号」・「青春ドリーム金沢号」路線延長、もりの里ジャスコ前・山環もりの里・上野駅入谷口に停車
2015年3月：「ドリーム金沢号」・「青春ドリーム金沢号」金沢工業大学前へ路線延長、もりの里ジャスコ前バス停を廃止
2015年5月：「ドリーム金沢号」・「青春ドリーム金沢号」運賃改定、季節・曜日ごとの運賃体系に変更
2015年7月：「金沢エクスプレス号」運賃改定、季節・曜日ごとの運賃体系に変更、学割の設定開始
2016年4月：バスタ新宿開業に伴い、「金沢エクスプレス号」の発着場所を移転
2016年12月：「ドリーム金沢号」を「グランドリーム金沢号」に変更
2016年12月：「青春ドリーム金沢号」の東京駅 - 上野駅間を廃止
2017年2月：「青春ドリーム金沢号」東京駅 - 東京ディズニーランド間を延長
2018年6月：「金沢エクスプレス号」1日4往復に減便
2018年9月：「金沢エクスプレス号」1日3往復に減便
2019年6月：「金沢エクスプレス号」運賃改定
2019年10月：「グランドリーム金沢号」「青春ドリーム金沢号」が消費税率引き上げに伴い運賃改定
2020年2月：東京ディズニーランドの休園に伴い、「青春ドリーム金沢号」を東京駅発着に変更
2020年4月：新型コロナウイルス感染拡大の影響により、「グランドリーム金沢号」「青春ドリーム金沢号」が運休
2020年4月：「金沢エクスプレス号」が運休
2020年5月：「金沢エクスプレス号」から西武バスが撤退、西日本ジェイアールバスの単独運行
2020年6月：「金沢エクスプレス号」夜行便を「ドリーム金沢号」（2代目）に変更、「グランドリーム金沢号」の東京側の起終点を東京ディズニーランドに変更、バスタ新宿にも停車、「グランドリーム金沢号」がJRバス関東との共同運行
2020年10月：「グランドリーム金沢号」運行再開
2020年12月：「金沢エクスプレス号」「ドリーム金沢号」が運行休止
2023年4月：「グランドリーム金沢号」「青春ドリーム金沢号」運行休止、路線休止

使用車両

「金沢エクスプレス号」では、西武バス・西日本JRバスともに原則として独立3列シートのスーパーハイデッカー及びハイデッカー車両を使用していました。西日本JRバスでは、いすゞ・ガーラ、日野・セレガ、三菱ふそう・エアロバスなどを投入していました。

運行開始当初は、西武バス・北陸鉄道は4列シート34人乗り、JRバスは4列シート36人乗りのスーパーハイデッカーを使用していました。後にJRバス関東は34人乗りに変更しました。JRバス関東では、当初は通常の中間床下WC付4列シート36人乗りの三菱ふそう・エアロクィーンMを使用していましたが、間もなく最後部WC付4列シート32人乗りエアロクィーンWに置き換えました。このエアロクィーンWは、座席番号がJR方式ではなく西武式、座席が横スライド機能付、交代運転士用の仮眠室も設置されるなど、西武バスの車両に仕様を近づけていました。

西日本JRバスも、1990年の参入当初には在来車のエアロクィーンWを西武バス同様の仕様に改造しており、異なる車種でありながら、ここまで仕様を統一した例は少ないです。

関連事項

能登号（上野駅⇔金沢駅間を結ぶ臨時夜行急行列車）
渋谷・八王子 - 金沢・加賀線（渋谷・八王子⇔金沢駅間を結ぶ夜行バス）
金沢 - 横浜湘南線（藤沢・鎌倉・横浜⇔金沢駅間を結ぶ夜行バス）
かがやき（本路線と並行する北陸新幹線の列車）
* きまっし号（東京駅 - 富山・金沢間を結ぶ夜行バス）

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