金清典広

金清 典広（かねきよ のりひろ）氏は、1957年2月26日生まれの、日本を代表するランドスケープアーキテクトの一人です。現在は、高野ランドスケーププランニング株式会社の代表取締役を務める傍ら、ランドスケープコンサルタント業界の発展に寄与する主要な団体であるランドスケープコンサルタンツ協会の会長も歴任するなど、多方面で活躍しています。

キャリアの始まりと海外での経験

金清氏は、1981年に千葉大学園芸学部造園学科を卒業後、高野ランドスケープに入社し、専門家としての第一歩を踏み出しました。入社初期から、その活動は国内にとどまりませんでした。1984年には、マレーシアの現地企業との合弁事業であるTEAM THREE TAKANO LANDSCAPE SDN. BHD.に出向し、代表取締役として海外でのプロジェクトを牽引しました。

特に国際的な評価を得た業績として、フランスにあるアルベール・カーン美術館における日本庭園の再整備事業が挙げられます。この重要なプロジェクトにおいて、金清氏は主任技術者として現地に長期滞在し、計画、設計、施工、そして管理まで、すべての工程を一人で担いました。その功績が認められ、1991年にはセーヌ県知事より功労賞の金メダルを授与されるという栄誉に浴しました。

国内でのキャリアとリーダーシップ

海外での貴重な経験を経て、金清氏は1986年に高野ランドスケーププランニングに復職しました。復職後すぐに頭角を現し、1988年には同社の取締役に就任。経営陣の一員として、会社の成長を牽引する立場となりました。そして2006年、長年の貢献と実績が評価され、ついに代表取締役の座に就任しました。以来、日本のランドスケープ分野におけるリーディングカンパニーの一つとして、高野ランドスケーププランニングを率いています。

会社の経営を担う一方で、金清氏は業界全体の地位向上と発展にも尽力してきました。2014年からはランドスケープコンサルタンツ協会（CLA）の理事として、特に国際交流の分野で積極的な活動を展開し、国際委員長を務めました。さらに2018年には、満を持して同協会の会長に就任。業界の代表として、より良い社会空間の創造を目指し、政策提言や人材育成など、多岐にわたる活動を推進しました。

主な業績と受賞歴

金清氏の、または氏が代表として関わった高野ランドスケーププランニングのプロジェクトは、その質の高さから多くの賞を受賞しています。代表的なものとして、1993年には国営昭和記念公園の「子供の森」が都市公園等コンクール設計部門建設大臣賞を受賞（会社名義）。1994年には石川県の「真脇遺跡公園」で第1回石川県景観大賞に輝きました。また、細部への配慮を示す例として、1997年には北海道幕別町の明野ヶ丘公園休養施設が「グッドトイレ10」に選ばれています。

さらに、1999年には「静岡こどもの国」が再び都市公園等コンクール設計部門建設大臣賞を受賞。2003年には、北海道立十勝エコロジーパークの一期開園区域で第19回都市公園等コンクール設計部門国土交通大臣賞を受賞しており（会社名義）、大規模な公園設計においても高い評価を得ています。

個人の業績としても、2009年には「高橋建設（北海道）社屋造園」で日本造園学会賞を受賞。国際交流への長年の貢献が評価され、2017年には第25回日本公園緑地協会佐藤国際交流賞を受賞しました。そして比較的新しい受賞として、2022年には第44回日本公園緑地協会北村賞を受賞しており、そのキャリアを通じて常に高い評価を受け続けていることが分かります。

金清典広氏は、ランドスケープアーキテクトとしての専門知識と技術、企業経営者としての手腕、そして業界リーダーとしての統率力を兼ね備え、日本のランドスケープ分野における重要人物です。国内外での豊富な経験と数々の実績を通じて、人々の暮らしを豊かにする緑地空間の創出に、多大な貢献を果たしています。

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