金炳賢

金炳賢の軌跡

金炳賢（キム・ビョンヒョン）は、1979年に大韓民国の全羅南道光州広域市で生まれた元プロ野球選手です。彼は独特なアンダースローの投手スタイルを持ち、全盛期には150km/hを超える速球を誇り、「コリアンサブマリン」として知られています。彼のキャリアの大部分はメジャーリーグにおいてアリゾナ・ダイヤモンドバックスでの活躍が中心でした。

経歴の始まり

1999年、金はアリゾナ・ダイヤモンドバックスと契約し、同年メジャーデビューを果たします。特に2001年には78試合に登板し、19セーブを記録しました。彼の活躍により、チームは地区優勝を達成し、ポストシーズンでもクローザーとして重要な役割を果たしました。しかし、ワールドシリーズ第4戦での失投が彼のキャリアに影を落とします。

2002年には安定した成績を残し、オールスターにも選出。この年は72試合に登板し、8勝3敗36セーブ、防御率2.04という好成績を収めました。メジャーリーグ史上32人目となる1イニング3者連続3球三振を達成した試合も記憶に残ります。

ボストン・レッドソックスとその後

2003年、金はボストン・レッドソックスにトレードされますが、先発転向後の成績は芳しくありませんでした。2004年は怪我に悩まされ、メジャーではわずか7試合の登板に終わります。この時期、韓国の記者とのトラブルもあり、彼の名声に影が差しました。

2005年、金はコロラド・ロッキーズへ移籍。このチームで彼は先発としての役割を果たし、2006年には第1回WBCに出場しました。しかしその後も成績は安定せず、2007年にはマーリンズに移り、再びダイヤモンドバックスに復帰。短い期間で数回のトレードを経た彼は、2008年にはピッツバーグ・パイレーツと契約するも、開幕前に解雇され、無所属に陥ります。

日本と韓国のリーグへの挑戦

2011年には東北楽天ゴールデンイーグルスと契約し、韓国人選手として日本球界での初仕事となりました。しかし、彼は一軍登板なしで帰国し、2012年には韓国のネクセン・ヒーローズに加入。ここでも活躍は今一つで、結局高額年俸に見合う成績を残せぬまま2014年には起亜タイガースへトレードされました。

その後、現役を続ける中で2018年にはオーストラリアのメルボルン・エイシズと契約。2019年には引退を表明します。彼のプレースタイルはアンダースローながら異常な速球を持ち、切れのあるスライダーも武器でした。しかし、怪我の影響で球速は徐々に低下していきました。

人物像とエピソード

金炳賢は内気な性格であり、メディアやチームメートとのコミュニケーションに苦しむ姿が報じられていました。彼は特にワールドシリーズでの経験が苦い思い出として残っており、当時のファンの反応にも戸惑いを覚えたようです。さらに、2度のトレードや怪我による出場制限が続く中で、常に高い期待がかけられた選手でしたが、成功と失敗の両面を経験した選手でもあります。

金炳賢の野球人生は、成功と挫折、移籍を重ねることで彩られたものとなりましたが、今もなお多くのファンに愛される存在です。

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