金田宏

金田宏：アマチュア天文家の足跡

金田宏（かねだ ひろし、1953年生まれ）は、北海道札幌市を拠点とする著名なアマチュア天文家です。彼の天文学への情熱と貢献は、数多くの天体の発見に示されています。特に、1987年から2000年までの期間において、彼は釧路市で上田清二と連携し、合計705個の小惑星を発見しました。この期間における彼らの活動は、アマチュア天文家の可能性を示す重要な事例として評価されています。

金田氏が発見した小惑星の中で最も知られているのは、小惑星番号3720番に付与された「北海道」です。これは彼の業績を象徴するものとなっています。小惑星発見のほかにも、彼は新星の観測でも名を馳せています。2007年12月25日、金田氏はこぎつね座において新星V459を発見し、翌年の3月7日にははくちょう座にて新星V2468も発見しました。さらに2012年にはいて座のV5592を独立して発見するなど、彼の天文学的な成果は枚挙にいとまがありません。

また、金田氏は天体発見の幅を広げるべく、彗星の発見にも挑んでいます。2008年9月10日には、板垣公一と共同で、1897年以降行方不明となっていたD/1896 R2 ジャコビニ彗星を再発見しました。この彗星の再発見は、天文学界における重要な出来事とされ、金田氏の天体観測の腕前を証明しています。

さらに彼は、彗星発見のための専用ソフトウェアを自ら開発し、これを用いて多くの天体を観測しました。このソフトウェアは、他の天文家にも使用されており、板垣もこれを用いて彗星を発見しています。このような技術革新は、アマチュア天文学者の活動を更に充実させる要因となっています。

著書・業績

金田宏氏は、著書によっても多くの知識を伝えています。彼の代表的な著作の一つに、『野外星図 星座がわかる星空の地図』（ISBN 978-4-416-71718-9）があり、2017年8月9日に誠文堂新光社から出版されました。この本は、星座の識別や星空の観察に関するための実用的なガイドとなっており、多くの天文愛好者にとって貴重な資料となっています。

金田氏の活動は、アマチュア天文家がプロの天文学者と肩を並べて成し得る成果を証明するものです。彼の情熱と努力は、今後の天文観測や研究においても多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

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