金田石城

金田石城：前衛書道界の鬼才、その魅力と軌跡

金田石城（かねだ せきじょう）は、1941年福島県いわき市に生まれ、日本の書道界において独自の地位を確立した書道家です。全日本書道芸術院を主宰し、前衛的な書風で「墨の魔術師」「書道界の鬼才」と称されています。50年を超える書道人生で、数々の作品を生み出し、映画やテレビドラマの題字も手掛けています。近年では書道にとどまらず、陶芸、落款、着物デザイン、小説、写真など、幅広い分野で才能を発揮しています。

書道家としての歩み

金田石城は、1962年に井垣北城に師事し、書道の道を歩み始めました。1968年には全日本書道芸術院を設立し、書道誌「城」を創刊。1970年には毎日書道展で秀作賞を受賞、1972年には毎日賞を受賞するなど、早くからその才能を開花させました。古典的な技法に留まらない斬新な作品は、書道界に新風を吹き込み、高い評価を得ています。

多彩な才能

金田石城の活動は、書道だけに留まりません。陶芸、落款、着物デザイン、小説、写真など、多岐にわたる分野で才能を発揮しています。特に、絹反物に直接筆を入れる着物制作は、独特の美しさを持ち、多くの著名人を魅了しています。2002年には、国際ファッションコンペティションでグランプリを受賞し、その才能は国際的にも認められました。

題字、タイトル

金田石城は、数多くの映画やテレビドラマの題字を手掛けています。代表作としては、映画『天と地と』や『蒼き狼 〜地果て海尽きるまで〜』などがあります。また、資生堂や松下電器産業、トヨタなど、多くの企業の屋号や商品名、カレンダーなども手掛けており、商業的な分野でもその才能を発揮しています。

人物像

金田石城は、古典的な書家のイメージとはかけ離れた、独特のファッションセンスを持っています。ドルチェ&ガッバーナやジャン＝ポール・ゴルチエなどの洋服を好み、サングラスがトレードマークです。また、スーパーカーマニアとしても知られており、外車雑誌でビデオ映画を監督・制作したこともあります。その風貌や語り口調も独特で、多くの人々を魅了しています。

エピソード

金田石城は、数十畳にもなる大紙に大筆で一気に書き上げるパフォーマンスを、日本で初めてイベント化しました。埼玉大宮ソニックシティ広場や丸の内ビルディング、日本武道館など、様々な場所でパフォーマンスを披露し、多くの人々を魅了しました。また、2002年にロシアで開催された国際ファッションイベントでグランプリを受賞した際には、サッカー日韓ワールドカップ予選の日本対ロシア戦の直後であり、会場は一触即発の異様なムードに包まれましたが、金田石城のユーモア溢れるスピーチで、会場は一瞬にして和やかな雰囲気に変わったというエピソードがあります。

主な著書

金田石城は、数多くの著書も発表しています。『一心一書』『仏像篆刻のすすめ』『エッセイ集・夢は炎のごとく』『画集・百屏風』『きもの集・かたせ梨乃』『写真集・夢の途中』など、書道に関するものからエッセイ、写真集まで、幅広いジャンルの著書があります。

まとめ

金田石城は、書道家としてだけでなく、多岐にわたる分野で才能を発揮し、多くの人々を魅了してきた人物です。その前衛的な書風と、型にはまらない自由な発想は、これからも多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

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