金福童

金福童について

金福童（きん ふくどう、韓国語: 김 복동）は、1926年4月19日生まれの韓国出身であり、元日本軍慰安婦であったと自身の経験を述べる女性です。彼女は2019年1月28日に亡くなるまで、慰安婦問題に関連する活動を行っていました。生涯の最後まで、韓国挺身隊問題対策協議会（通称：挺対協）の中心人物として知られ、他の慰安婦活動家たちと共に奮闘してきました。

幼少期とその後の活動

金福童は、日本統治下の朝鮮、慶尚南道の梁山郡で生まれました。彼女の運命が変わったのは、14歳の時に村の区長からの誘いを受けたことに始まります。彼女は軍服工場で働くように言われ、結果的に広東の慰安所に送られることとなりました。この経歴は、1992年に彼女が慰安婦であったと公表するきっかけとなりました。彼女は広東、香港、シンガポール、オランダ領東インド等で日本軍に侍る慰安婦としての生活を強いられました。

金福童の証言は社会的に影響を与えましたが、その内容に関しては歴史家の秦郁彦から疑問視されることもありました。彼は、彼女がその期間に異なる地域を転々としたことに懐疑的な見解を示しました。

日本への訪問と国際的活動

2013年には、吉元玉と共に日本を訪れ、慰安婦問題についての理解と謝罪、賠償を求める活動を行いました。特に大阪市長との会見が予定されていましたが、当日の朝に中止になったこともあり、彼女と吉元玉は日本政府に対して記者会見を通じて声を上げました。さらに、フランス・パリでも日本の謝罪を求める演説を行いました。

2015年には、ドイツのベルリンでも日本政府に対して慰安婦問題の重要性を訴え、その後、韓国挺身隊問題対策協議会が正義記憶連帯として再編された際には、その組織に参加しました。

奨学事業と寄付活動

彼女は、在日韓国人の子供たちを支援するために、韓国挺身隊問題対策協議会に5000万ウォンを寄付し、「金福童奨学基金」を創設しました。彼女はまた、日本の災害で影響を受けた地域への寄付や支援活動も行いましたが、こうした支援が正当に実施されていないという問題も報告されました。

金福童センターの計画

金福童の名を冠した「金福童センター」の建設計画もありました。このセンターは、ウガンダにおいて人権と平和のメッセージを発信することを目的にしていましたが、現地からの要望により、計画は白紙撤回されました。その後、アメリカ・ワシントンにて再度計画が模索されるも、寄付金不足などの影響で進展が難しい状況にあります。

結論

彼女が抱えた問題、運営してきた奨学金制度、そして様々な活動は、韓国の社会における慰安婦問題の重さを再認識させるものでした。金福童の生涯を通じて残されたメッセージは、今なお多くの人々に影響を与え続けています。彼女は、慰安婦としての経験だけでなく、それを乗り越えようとした活動から、多くの人々に勇気を与え続けています。

もう一度検索