金築誠志

金築 誠志の業績と人生

金築 誠志（かねつき せいし）は、1945年4月1日に現在の島根県出雲市で生まれました。彼の父の転勤に伴い、幼少期は島根県内各地で過ごし、その後、家族と共に東京に移住しました。東京都立新宿高等学校を卒業した後、東京大学法学部に進学し、1967年に卒業して司法の道に進みました。

金築氏は、1967年4月に司法修習生としてのキャリアをスタートし、1969年に判事補任官となりました。その後、東京地方裁判所や最高裁判所広報課、さらには札幌地方裁判所など多岐にわたる職務を経験しました。

1979年に判事として任官後は、東京地方裁判所刑事部、最高裁判所調査官などとして活躍し、1990年には東京地方裁判所において部総括判事に就任しました。2002年には司法研修所の所長に就任し、翌年には東京地方裁判所長に昇格しました。その後、2006年には大阪高等裁判所の長官として新たな任務を担いました。

2009年には最高裁判所判事に就任し、2015年3月31日までその職にありました。特筆すべきは、彼が最高裁判所で重要な案件の審理を行い、特に「光市母子殺害事件」や「非嫡出子法定相続分違憲決定」に関与したことです。これらの案件は、日本の司法制度におけるものであり、多くの注目を集めました。

金築氏は、最高裁判所判事の任期中に行われた2010年8月の国民審査において、信任されたことからも、その実績が評価されたことが伺えます。定年退官後も、2015年6月から一般財団法人日本法律家協会の会長に就任し、同年11月には旭日大綬章を受章するなど、法曹界において影響力を持ち続けました。さらに、2016年6月にはJR東日本の監査役に就任し、企業活動にも貢献しています。

主な担当審理

金築氏が担当した主な案件には、次のようなものがあります。

• - 御殿場事件（2009年4月、陪席裁判官）
• - 砂川政教分離訴訟（2010年1月、陪席裁判官）
• - 光市母子殺害事件（2012年2月、裁判長裁判官）
• - 非嫡出子法定相続分違憲決定（2013年9月、補足意見を執筆）

これらの案件は、いずれも日本社会に多大な影響を与えた重要な事件であり、金築氏が持つ法律的見識と判断力が発揮された事例でもありました。彼の業績は、今後の司法制度にも大きな足跡を残しています。

金築誠志は、裁判所の活動に留まらず、法の下での公平な判断を模索し続ける姿勢から、日本の法曹界において重要な存在であり続けています。

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