金蛇水神社

金蛇水神社

金蛇水神社は、宮城県岩沼市に鎮座する神社で、古くから水に関わる神様として人々に崇敬されてきました。旧社格は無格社です。

祭神

主祭神は金蛇大神（かなへびおおかみ）とも呼ばれる水速女命（みはやめのみこと）です。相殿神として、大己貴命（おおなむちのみこと）と少彦名命（すくなひこなのみこと）も祀られています。また、境内社には水神である金蛇弁財天が祀られています。

歴史

神社の創建年代は不明ですが、古くから水神として信仰されてきました。社名の由来には次のような伝承があります。

永祚元年（989年）、一条天皇の時代に、京都の刀匠である小鍛冶宗近（こかじむねちか）が、天皇の御佩刀を鍛えるよう勅命を受けました。宗近は名水を求めて諸国を巡り、この地を訪れた際、水神宮のほとりを流れる水の美しさに心を打たれました。そこで、水神宮に参籠祈願したところ、神の加護により宝刀を鍛えることができたとされています。感謝した宗近は、雌雄一対の金蛇を斎鍛して水神宮に奉納し、都へ戻ったと伝えられています。それ以来、金蛇は御神体として崇められ、社名も金蛇水神社と呼ばれるようになったのです。

金蛇水神社は、古くから商売繁盛や金運円満の神様として、特に信仰を集めています。その他、海上安全や大漁祈願の神様としても崇敬されています。

主な行事

牡丹祭（花まつり）：5月10日～5月25日
金蛇水神社例大祭：5月15日～5月21日
弁財天社例祭：7月第一日曜日
秋季例祭：10月中旬の日曜日

分霊社

仙台市内には3か所の分霊社があります。そのうち、一番町分霊社は141ビルの南西角に位置しており、8月最終日曜日には例祭が行われます。この例祭では、神輿が仙台市都心部のアーケード街である一番町や中央通りなどを巡行します。

周辺

境内の西側には、金蛇沢の水源となっている「七ッ堤」があります。また、ロッシャラ堤の近くには禊殿跡があります。七ッ堤は以下の通りです。

屋土堤（宿堤、屋戸堤とも）
太郎左衛門堤
繁水堤（杉水堤、蜜水堤とも）
二階堂堤
金原堤
ロッシャラ堤
ビル沼堤

境内

鳥居をくぐると、樹齢約300年の藤の木「九竜の藤」が出迎えてくれます。参道の南側には神池があり、その側には「御霊池」という水場があります。御霊池の右側には、木のウロの中に白蛇がいるように見える御神木が奉納されています。

境内には、川の神や水神として信仰される弁財天を祀る金蛇弁財天社があります。等身大の八臂弁財天像が祀られており、この像は7月第一日曜日の弁財天社例祭でのみ開帳されます。弁財天は福徳円満や芸能の神として信仰されています。

社殿の南側には、蛇の模様がある「蛇紋石」が並べられており、この石に財布をこすりつけると金運がつくという信仰があります。その他、境内には足尾神社や古峯神社の石祠も置かれています。

その他、祈祷受付や御朱印記帳を行う社務所、神札やお守りの授与を行う授与所、参拝者休憩所・そば屋「工房水神そば」があります。

アクセス

鉄道: JR岩沼駅（東北本線・常磐線）より車で約10分
バス: 岩沼市民バス 東西循環線②または 大師線に乗車、「ハナトピア前」バス停下車、徒歩約10分

5月の花まつり・例大祭期間中は、岩沼駅西口から金蛇水神社直通の臨時バスが増便されます。

脚注

参考文献
金蛇水神社　参拝のしおり（金蛇水神社社務所）
外部リンク
金蛇水神社（公式ウェブサイト）
金蛇水神社（宮城県神社庁）
* 七ッ堤を訪ねる（岩沼市三色吉（みいろよし）町内会）

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