金蛙王

金蛙王の伝説

金蛙王（きんあおう、금와왕、クムワワン）は、高句麗建国神話に名を刻む伝説的な人物であります。彼は扶余王である解夫婁（かいふる、ヘプル）の子であり、後に東明聖王（朱蒙）の父親として知られています。金蛙王の誕生に関する物語は、『三国史記』の中で読み解くことができます。

金蛙王の誕生の物語

『三国史記』の第13巻、高句麗本紀第1に記されている通り、解夫婁王は年老い、子供がいなかったことから、後継者を探していました。ある日、彼は鯤淵（こんえん）という池に馬を連れて行きましたが、そこで馬が突然立ち止まり、涙を流しました。王は驚き、その原因を見極めようとしました。すると、岩の下に金色の蛙の姿をした子供が見つかりました。解夫婁王は、これは天からの贈り物に違いないと判断し、その子に「金蛙」と名付け、王子として育てることにしました。

この出来事は、金蛙が将来の王としての運命を持っていることを示唆していました。王は、金蛙の存在が国の未来に大きな影響を与えると信じていました。

東明聖王と国の遷都

その後、宰相の阿蘭弗は解夫婁王に助言をします。彼は天の神の言葉を受け取ったと主張し、「神は、我々の子孫が新たに国を築くと告げ、東海に位置する迦葉原（かしょうげん）へ移るべきだと私に示しました。こちらは五穀が豊かに実る土地で、都を遷すことで国の発展に繋がるでしょう」と進言しました。解夫婁王はその言葉に従い、都を迦葉原に移し、国名を東扶余と改称しました。

この際、古くからの王である解夫婁は、その地を離れることになりました。退去後、天帝の子を名乗る解慕漱（かいぼそう、へモス）が現れ、旧扶余の王となります。これが北扶余と呼ばれるようになります。

金蛙王の後継者としての役割

東扶余では、解夫婁が亡くなった後、金蛙が王位を継ぎ、東扶余王としてその国を統治することとなりました。彼の存在は、先代の王たちや国の未来への希望として位置付けられ、重要な役割を果たしました。

俳優による描写

この伝説は、テレビドラマ『朱蒙 〜チュモン〜』で俳優のチョン・グァンリョルによって描かれています。彼の演技は、多くの視聴者に金蛙王の人物像を深く印象付けました。

関連項目

金蛙王は、朝鮮の君主一覧の一部として位置づけられており、彼の物語は高句麗の歴史においても重要な位置を占めていることが、歴史的な見地からも確かめられます。彼の伝説は、権力、運命、そして国家の誕生に関連する神秘的な物語として、多くの研究や考察の対象となっています。

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