金融再生委員会委員長

金融再生委員会委員長とは

金融再生委員会委員長は、1998年から2001年まで存在した日本の国務大臣です。金融再生委員会を代表し、その会務を総理する役割を担っていました。

概要

金融再生委員会は、金融破綻処理制度や金融危機管理に関する調査、企画、立案を所管し、金融機能の安定と再生を目的としていました。具体的には、金融機関が破綻した場合に必要な措置を講じたり、銀行業、保険業、証券業などの金融機関の適切な運営や経営の健全性を確保するため、免許、検査、監督を行ったり、証券取引の公正性を確保するための監視を行っていました。金融再生委員会委員長は、これらの業務を統括し、委員会を代表していました。

金融再生委員会には、事務局や株価算定委員会といった内部組織のほか、金融監督庁や金融庁といった下部組織がありました。金融再生委員会委員長は、これらの組織を統括する責任も担っていました。

金融再生委員会は、委員長と4名の委員で構成され、委員会の会議は委員長が招集しました。会議の成立には、委員長を含む3名以上の委員の出席が必要であり、議決が可否同数となった場合は、委員長の決定に従うこととされていました。また、委員長が不在の場合に備え、委員の中から委員長代理が指名されていました。

沿革

1998年、金融再生委員会設置法などの関連法案が成立し、小渕内閣で金融再生委員会の設置準備のために金融再生担当大臣が設置されました。初代委員長には、柳澤伯夫が就任しました。

金融再生委員会は、1998年12月15日に発足し、7代5名の委員長が就任しました。しかし、2001年1月6日の中央省庁再編により廃止され、その業務の大部分は金融庁に引き継がれました。それに伴い、金融再生委員会委員長の職も廃止されました。

金融再生委員会委員長の職が設置されていたのは、わずか2年ほどの短い期間でしたが、初代委員長の柳澤伯夫の在任期間は約1年に及び、設置期間のおよそ半分を占めていました。他の委員長は、短期間で辞任するケースが目立ちました。例えば、第2代委員長の越智通雄は、金融検査に関する発言が問題視され、在任4か月強で辞任しました。また、第5代委員長の久世公堯は、党員集めの際に企業に党費を肩代わりさせていたことが発覚し、在任1か月弱で辞任しています。

名称

正式な職名は「委員会委員長」ですが、報道などでは「金融再生委員長」や「金融委員長」と略されることもありました。英語では「Chairman of the Financial Reconstruction Commission」と表記されます。

関連項目

金融再生委員会
総理府
金融庁
証券取引等監視委員会
内閣府特命担当大臣（金融担当）
内閣府

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