越智通雄

越智 通雄（おち みちお）

越智通雄は、1929年4月23日に東京で生まれ、2021年1月30日に91歳で逝去した日本の大蔵官僚および政治家です。彼の経歴は多岐にわたり、衆議院議員を8期務め、さらに経済企画庁長官や金融再生委員会の委員長といった重要なポストを歴任しました。位階は正三位に叙され、日韓親善協会中央会の会長も務めました。

来歴と経歴

越智は、東京高師附属中学校（現・筑波大学附属中・高）を卒業後、旧制一高を経て、東京大学法学部法律学科に進学し、1952年に卒業しました。その後、大蔵省に入省し、様々なポジションを経験しながらキャリアを積み上げていきました。特にニューヨークでの副領事としての勤務や、福田赳夫大蔵大臣秘書官、主計局調査課長といった役職を歴任しました。

1972年には、第33回[[衆議院議員総選挙]]において東京3区から立候補し当選を果たしました。彼の選挙キャンペーンでは、名前を仮名で書くと回文になることにちなんで、選挙カーで連呼するなど、独特のプロモーションで選挙に臨みました。この時期、自民党内では福田派、安倍派、三塚派、森派といった複数のグループに所属し、政治活動を行っていました。

越智は1996年以降、東京6区を選挙区とし活動しましたが、当選は1996年の比例復活に留まりました。一方で、銀行局銀行課長補佐や衆議院大蔵委員長、自民党金融問題調査会長などの任に就き、金融政策に強い影響力を持つ「金融族」として知られるようになりました。

特筆すべき発言

越智は2000年2月、金融再生委員会の委員長として行った栃木県の金融機関関係者への講演で、「検査の仕方がきついとかあったら、どんどん直接おっしゃってください。最大限考慮しますから」という発言をし、この「手心発言」が大きな波紋を呼ぶこととなりました。この結果、彼は委員長を辞任せざるを得なくなり、同年6月の総選挙では落選の憂き目を見ました。

晩年と受賞歴

越智は2000年に勲一等旭日大綬章を受章し、その功績が評価されましたが、2021年に老衰のため逝去し、死去日と同日に正三位に叙されました。彼の死去は、長年にわたる日本の政治や金融界における貢献の象徴であり、その影響力と存在感は、今なお多くの人々に記憶されています。

家族

越智の家族には、岳父に福田赳夫（元内閣総理大臣）、義弟に福田康夫（元内閣総理大臣）がおり、次男の越智隆雄は衆議院議員として政治の世界で活動しています。彼の血筋は、政治界への深い関与を示しています。

越智通雄の生涯は、重要な歴史的な出来事の中で日本の政策と社会の発展に寄与したものであり、その影響は今もなお続いています。

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