金融危機対応会議

金融危機対応会議について

金融危機対応会議（Financial Crisis Response Council, FCRC）は、内閣府に設置された特別な機関であり、日本の金融システムの安定を維持するために重要な役割を担っています。この会議は、大規模な金融機関の破綻などの金融危機が発生した場合に、迅速かつ適切な対応を行うことを目的としています。

概要

金融危機対応会議は、内閣総理大臣の諮問に基づき、金融危機に関する重要事項を審議します。具体的には、大規模かつ連鎖的な金融機関の破綻といった事態に対し、どのような対策を講じるべきかを検討します。また、関係する他の官公庁に対し、必要な施策の実施を促し、資料の提出などの協力を要請する権限も持っています。

さらに、金融危機対応会議の議決に基づき、内閣総理大臣は金融危機への対応措置を決定することができます。これらの措置には、預金保険機構による株式の引き受け、ペイオフコストを超える資金援助（いわゆるペイオフ凍結）、預金保険機構による全株式取得などが含まれます。これにより、金融システムの安定を維持し、預金者などの保護を図ることが可能となります。

機構

金融危機対応会議は、議長1人と議員5人で構成されています。議長は内閣総理大臣が務め、議員には内閣官房長官、内閣府特命担当大臣（金融担当）、金融庁長官、財務大臣、日本銀行総裁が任命されます。議長は会議を主宰し、必要に応じて臨時の議員を任命することができます。また、議長が不在の場合は、内閣府特命担当大臣（金融担当）が議長の職務を代行します。

会議の庶務は、金融庁の監督局総務課が担当し、財務省大臣官房信用機構課が協力します。これにより、会議の円滑な運営が図られています。

沿革

金融危機対応会議は、2001年1月6日の中央省庁再編に伴い、内閣府設置法に基づいて設置されました。

2003年には、りそな銀行と足利銀行の経営危機に対応するため、金融危機対応会議が重要な役割を果たしました。同年5月17日には、小泉純一郎内閣総理大臣が、りそな銀行への預金保険法第102条第1項第1号の適用可否を諮問しました。これを受けて、金融危機対応会議は第1回会議を開催し、りそな銀行の自己資本比率の低下が金融システムの安定を脅かす可能性があると判断しました。その結果、預金保険法に基づく措置を講じる必要性を認め、預金保険機構による株式の引き受けなどの資本増強策が実施されました。

同年11月29日には、足利銀行に対する預金保険法第102条第1項第3号の適用可否が諮問されました。金融危機対応会議は第2回会議を開催し、足利銀行の債務超過が地域経済に重大な影響を及ぼす可能性があると判断しました。そのため、同行の金融機能を維持する必要性を認め、預金保険機構による全株式取得が行われ、足利銀行は特別危機管理銀行となりました。

これらの事例からもわかるように、金融危機対応会議は、金融システムの安定を維持するために非常に重要な役割を担っています。

名称

英語での正式名称は「Financial Crisis Response Council」です。

関連情報

• - 内閣府
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• - りそな銀行
• - 足利銀行

外部リンク

• - 金融危機対応会議 - ウェイバックマシン（2004年10月27日アーカイブ分） - 総理大臣官邸の公式サイトにおける[金融危機]]対応会議の紹介ページ。
• - [金融危機対応会議：金融庁 - 金融庁の公式サイトにおける金融危機対応会議の紹介ページ。

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