金融広報中央委員会

金融広報中央委員会：国民の金融知識向上に貢献した組織

金融広報中央委員会は、日本国民の金融に関する知識や判断力を高めるため、中立かつ公正な立場で広報活動を行っていた組織です。2024年10月には、金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律に基づく認可法人である金融経済教育推進機構に業務を移管し、その歴史に幕を閉じました。

歴史

その歴史は、1952年（昭和27年）に「貯蓄増強中央委員会」として設立されたことから始まります。以下に、主な沿革をまとめます。

1952年（昭和27年）：貯蓄増強中央委員会として設立
1953年（昭和28年）：「貯蓄に関する世論調査」（現在の「家計の金融行動に関する世論調査」）を開始
1988年（昭和63年）：貯蓄広報中央委員会に改称
2001年（平成13年）4月：金融広報中央委員会に改称
2004年（平成16年）4月：ウェブサイト「マネー情報　知るぽると」を開設
2006年（平成18年）10月：「金融教育プラザ」を設置
2007年（平成19年）5月：愛称を「知るぽると」に改める
2024年 (令和6年) 10月：解散

設立当初は貯蓄奨励を主な目的としていましたが、時代とともに金融を取り巻く環境が変化する中で、その役割も変化。広報活動を通じて、国民の金融リテラシー向上に貢献しました。

組織構成

金融広報中央委員会の委員は、規約に基づき、同委員会が加入を認めた各種団体の代表者、学識経験者、および日本銀行副総裁（1名）で構成されていました。事務局は日本銀行情報サービス局に置かれていました。

地域連携

金融広報中央委員会は、各都道府県に設置された金融広報委員会と連携し、全国的なネットワークを形成していました。各都道府県の委員会は、都道府県庁、財務省の財務局・財務事務所、金融経済団体、消費者団体、日本銀行の本支店・事務所などによって構成され、地域に根ざした金融広報活動を展開していました。これらのネットワークの中央機能は、金融経済教育推進機構に移管されました。

活動内容

主な活動としては、以下のものが挙げられます。

ウェブサイト「知るぽると」の運営: 一般個人や教育関係者向けに、金融に関する様々な情報を提供していました。
「金融リテラシー調査」の実施・公表: 18歳以上の個人の金融知識や判断力を把握し、その結果を公表することで、金融教育の必要性を啓発しました。

これらの活動を通じて、金融広報中央委員会は、国民が適切な金融判断を行うための知識や情報を提供し、金融トラブルの防止や健全な家計運営に貢献しました。

その他の活動

短編映画の制作にも関わっていました。

『明日をきずく』(1960年)：貯蓄増強中央委員会制作
『文子の日記』(1968年)：英映画社制作
『炎よ創れ』(1980年)：英映画社制作
『ふるさとの広場』(1978年)：日映科学映画製作所の制作

金融経済教育推進機構への移行

2024年10月、金融広報中央委員会の業務は金融経済教育推進機構に移管されました。これにより、今後は同機構が中心となり、国民の金融経済教育を推進していくことになります。金融広報中央委員会が培ってきた知識や経験は、金融経済教育推進機構に引き継がれ、更なる発展が期待されます。

金融広報中央委員会の解散は、一つの時代の終わりを意味しますが、その活動は金融経済教育推進機構に引き継がれ、国民の金融リテラシー向上への貢献は今後も続いていくでしょう。

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