金錫範

金 錫範（キム・ソクポム）

金 錫範（1915年11月2日 - 1998年2月18日）は、大韓民国の著名な軍人であり、韓国海兵隊の創設者としても名を馳せました。彼は日本名を金山照とし、軍のキャリアを通じて様々な役職を歴任しました。

人物背景

金錫範は、平安南道江西郡に生まれました。幼少期に満州に移り、1934年には新京師範学校を卒業しています。続いて、1936年に中央陸軍訓練処に入学し、基礎的な軍事訓練を受けた後、1937年に同所を卒業し少尉に任官されました。その後、歩兵第31団に配属され、優れた成績を収め陸軍士官学校へと進みます。

1940年には中尉に昇進し、情報班主任として活躍しました。1944年に上尉に昇進し、1945年には第6管区歩兵第7団の連長として軍の運営に尽力します。終戦時には満州国軍の上尉であり、戦後は新京保安司令部の司令官に就任します。

軍歴と功績

戦後、彼は韓国沿岸警備隊に入隊し、さらには海兵隊の要職を歴任しました。特に1953年には海兵隊の司令官に就任し、中将の階級にまで昇進するなど、その軍事的功績は非常に顕著です。彼は海兵第1連隊長や海兵隊副司令官など多くの重要な職務を担い、韓国海兵隊の基礎を築く役割を果たしました。

また、1958年には国防部長官特別補佐官に就任し、国防関連の政策に寄与しました。彼の軍事的キャリアは、韓国の安全保障に大きな影響を及ぼしました。

学歴と受賞歴

金の学びの道も特筆すべき点です。彼は1934年に新京師範学校を卒業後、1937年に奉天軍官学校をそして1941年には日本陸軍士官学校を卒業しました。さらに1953年には陸軍大学を修了し、1958年には韓国国防大学院を修了しています。これにより、彼の軍事的知識と指導力は強化されました。

金錫範は、1943年に勲六位柱国章を授与され、さらに太極武功勲章も受賞しています。これらは彼の軍事的貢献を証明するものです。

評価と論争

しかし、金の評価には賛否があり、彼の行動は今なお論議を呼んでいます。親日反民族行為真相究明委員会は、彼が日本の軍隊に積極的に貢献したことを指摘し、彼の功績に疑問を投げかけています。このことにより、左派の市民団体が彼の墓を移すべきだとの主張を展開するなど、物議を醸しています。

また、民族問題研究所の記録によると、彼が主任を務めた情報班によって無辜の民を弾圧する事例があったことも報告されています。これにより彼の行動は反民族行為とされ、社会的論争が続いています。

死去

1998年に金は肺がんにより死去し、ソウルの峨山病院での最期を迎えました。彼の人生は多くの意義と同時に複雑な評価を伴うものとなりました。軍としての功績は評価される一方で、その歴史的背景は大いに議論を呼ぶ存在として記憶され続けています。

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