金長神社

金長神社の由緒と歴史

金長神社は、徳島県小松島市中田町に位置する神社で、金長大明神を祭神としています。この神社は、伝説上の阿波狸合戦で命を落とした金長狸を祀るために建立されました。もともとは染物屋の茂右衛門（現梅山家）が、金長を丁重に弔い、江戸時代後期には正一位にまで上りつめました。長らく梅山家の屋敷神として祀られていましたが、1956年（昭和31年）に小松島市の観光振興と商売繁盛、開運の神として現在の地に移されました。特筆すべきは、この神社の建立に、映画会社社長である永田雅一氏が、映画『阿波狸合戦』の成功を記念して寄付した資金が大きく貢献している点です。ただし、金長神社は宗教法人ではなく、地域の文化遺産として大切にされています。

金長神社本宮

金長神社には、もう一つの重要な場所が存在します。それは、神社の北に位置する芝山山上の日峰神社境内にある金長神社本宮です。この本宮は、1939年（昭和14年）に映画「阿波狸合戦」がヒットしたことを受け、映画会社の重役である萬野只七氏の提唱により、俳優らの寄進によって建立されました。この事実は、金長狸が地域にとって非常に重要な存在であったことを物語っています。

周辺環境と春の賑わい

金長神社は、小松島市民運動場に隣接しており、周囲には桜が植えられています。春になると桜が満開となり、多くの花見客で賑わい、地域住民にとって憩いの場となっています。この美しい景観は、神社の魅力をさらに引き立てています。

御朱印について

2019年（平成31年）から金長神社の御朱印が授与されるようになりました。通常は地蔵寺で授与されますが、特定の日に限り、神社でも限定御朱印が授与されます。この限定御朱印は、参拝者にとって特別な記念品となっています。

取り壊しの危機と保存活動

近年、金長神社は取り壊しの危機に直面しています。徳島県小松島市の防災公園建設計画により、神社が取り壊される可能性が出てきました。これに対し、地元住民は危機感を抱き、2018年（平成30年）2月に「金長神社を守る会」を結成しました。この会は、署名活動や境内の清掃活動を通じて、神社の保存に向けた活動を積極的に行っています。

萌えキャラクター「ついなちゃん」とのコラボレーション

金長神社を守る活動は、異色のコラボレーションも生み出しました。それは、萌えキャラクター「ついなちゃん」との連携です。ついなちゃんは、日本鬼子のライバルとして生み出されたキャラクターで、声優の門脇舞以さんが声を担当しています。2018年（平成30年）5月25日に、「金長神社を守る会」を応援するCMが公開され、その後も署名活動などに協力しています。さらに、2019年からは、限定御朱印に『鬼っ子ハンターついなちゃん』のドラマCDが付属するようになり、金長神社を舞台とした物語が展開されています。

アクセス

金長神社へのアクセスは、県道小松島港線から徳島赤十字病院を北へ約300m進み、右折して東へ約50mの場所にあります。公共交通機関を利用する際は、小松島駅からバスやタクシーを利用すると便利です。

まとめ

金長神社は、地域住民にとって、歴史と文化が息づく非常に重要な場所です。商売繁盛や開運の神として、また地域の憩いの場として、長く親しまれてきました。しかし、防災公園建設という時代の波にさらされ、存続の危機に瀕しています。地元住民の活動を通じて、この大切な場所が未来へと受け継がれることが期待されています。

参考文献

• - 徳島史学会/編 『新版 徳島県の歴史散歩』 山川出版社/刊 1995年 169ページ

外部リンク

• - 金長神社を守る会
• - 金長大明神小松島復興大作戦ぽんぽこ - 金長神社を守る会公式ブログ
• - 金長神社を守る会 金長子分の小鷹・熊鷹 (@KinchoStrategy) - X（旧Twitter） - 金長神社を守る会公式ツイッター

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