金雲龍

金雲龍（キム・ウニョン）に関する詳細

金雲龍（キム・ウニョン、1931年3月19日 - 2017年10月3日）は韓国大韓民国出身の陸軍軍人、政治家、そしてスポーツ団体の役員としての経歴を持つ。特に、テコンドーの国際的な発展に寄与し、国際オリンピック委員会（IOC）の副会長を務めるなど、その影響は広範囲に及んだ。

生い立ちと教育

大邱広域市に生まれ、本貫は金寧金氏であり、号は允谷である。キリスト教徒として育ち、延世大学の政治外交学科で学んだ後、同大学院から政治学博士号を取得した。彼はまた、メリービル大学の法学博士であり、優れた学術的な背景を有していた。

軍人としてのキャリア

金は陸軍甲種士官に任官し、朝鮮戦争に参戦。特に、アメリカに3度の留学を経て得た英語力を活かし、陸軍第1軍司令官宋堯讃の副官を務めた。また、四月革命時には、戒厳司令官の副官としても活動しており、当時の警察の実弾要請を阻む重要な役割を果たした。

スポーツ界での貢献

金は1971年1月23日、大韓民国テコンドー協会（KTA）の会長に選ばれたが、当初は組織内の紛争が原因で辞退を考えていた。しかし、韓国政府からの要請を受けて会長職を引き受け、組織の浄化を目的とした。彼はKTAと国際テコンドー連盟（ITF）の関係を清算し、テコンドーの統括団体としてKTAが韓国に拠点を持つ重要性を説いた。

彼は1971年から1991年までKTA会長を勤め、その後1973年から2004年には世界テコンドー連盟の役員として活動。テコンドーのオリンピック種目化に向けた活動に尽力し、1988年のソウルオリンピック開催に重要な役割を果たしている。また、1986年からはIOC委員として活動し、1992年には副委員長に当選した。

政治活動と論争

2000年の第16代総選挙では、新千年民主党の比例代表議員として当選し、1期を務めた。しかし、2003年にはIOC副委員長選挙について見解が変わり、出馬を決意したことで、国内での論争を巻き起こした。彼は2004年に横領と賄賂の容疑で逮捕され、IOC委員職を辞任することに。

晩年と影響

金雲龍は2017年10月3日に逝去した。彼は大韓オリンピック委員会の委員長や、さまざまなスポーツ団体のトップを務めたことでも知られる。死後、テコンドーの世界化への貢献について多くの敬意が寄せられ、2017年12月には彼の業績を特集した『Tae Kwon Do Life Magazine』の表紙を飾った。さらに、2019年には彼に関するドキュメンタリー映画が公開され、彼の影響力が今なお健在であることが伺える。

金雲龍の功績は、韓国におけるテコンドーの発展のみならず、スポーツの国際的な枠組みの中でも重要な意味を持っている。彼の死は、多くの国民に惜しまれるものであり、彼の業績は後世に引き継がれていくことであろう。

もう一度検索