金高清吉

金高 清吉（かねたか せいきち）

金高清吉は1919年3月9日生まれ、1960年2月16日に亡くなった日本の将棋棋士です。彼は、木村義雄十四世名人の弟子として将棋界に身を投じ、才能を発揮しました。本名の清吉からも分かるように、彼の人生は将棋に捧げられたものであり、後に贈八段の称号を受けました。彼の出身地は千葉県の天津小湊町で、現在の鴨川市に当たります。

経歴

金高は1946年に順位戦C級に参加し、その年の成績が良好であったため、すぐに六段に昇段しました。翌年にはB級に昇段し、その後B級2組に在籍し続けました。彼の棋士としての人生は短命に終わり、1960年に逝去しましたが、その間に多くの試合で印象に残る局面を作っていきました。

棋風

金高の棋風は「悪力の金高」と称されるほど独特で、珍しい形や変則的な手を好む傾向がありました。手損を気にせず大胆なプレイをするスタイルは、対局相手にとって予測不能な要素を持ち、多くの観戦者を魅了しました。彼の独特なアプローチは、特に若い棋士たちにとって刺激となり、将棋の新たな可能性を示す一因となりました。

人物

金高は将棋の他にも、海釣りが得意であったと言われています。釣りで得た成果をけなされると、必死で反論する姿は彼の闘志を象徴しています。また、酒を愛する彼は、清野静男、間宮純一という二人の仲間とともに「将棋界の三奇人」として知られていました。このような性格は皆に愛される要因となり、彼の社会的な存在感を高めていました。

初の「反則負け」

将棋のルールが進化する中、金高はその中で初めての「反則負け」の記録を持つ棋士としても知られています。昭和32年頃には、公式戦での反則行為に対する明文化された規定が設けられましたが、それ以前に行われた彼の反則が実際に適用されたのです。具体的には、金高が対局相手の間宮純一の王手に気付かず、他の手を指した後、間宮は金高の玉を取り上げ、そのまま部屋を後にしたのです。記録係がこの事態についての対応を確認し、最終的には金高が反則負けと判定されることになりました。このエピソードは、将棋の歴史において重要な一幕として語り継がれています。

昇段履歴

• - 1941年 : 四段
• - 1947年5月10日 : 六段に昇段（順位戦C級上位）
• - 1948年4月1日 : 七段に昇段（順位戦B級昇級）
• - 1960年2月16日 : 逝去
• - 1973年11月3日 : 八段へ追贈

金高清吉は、将棋界における彼の独特な存在感と風変わりな棋風で、多くの愛好者に記憶されています。彼の人生や将棋に対する姿勢は、今なお多くの棋士たちにとってのロールモデルとなっています。

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