金鵄勲章

金鵄勲章について

金鵄勲章（きんしくんしょう）は、かつて日本で制定された独特な勲章で、特に武人に与えられる賞として有名です。この勲章は、1890年（明治23年）の紀元節に、明治天皇の詔勅によって創設されました。勲章名の「金鵄」は、日本神話に登場する金色に輝く霊鳥が神武天皇を助け、敵を眩ませたという伝説に基づいています。

創設の経緯

金鵄勲章は、陸海軍の軍人や軍属に授与され、その功績に基づき「功一級」から「功七級」までの7等級に分類されました。具体的には、功一級は特に優れた武功を挙げた者に授与され、授与式は独自の佩用式が規定されていました。功一級の勲章は、左肩から右脇に掛けて佩用する特別な大綬が特徴です。

応募資格と授与

金鵄勲章は特定の発表された基準に従って授与され、たとえ高い地位の者であっても、相応の戦功がなければ授与されませんでした。1894年の日清戦争の際、初めての公式な授与が行われ、初受章者は陸軍大将の有栖川宮熾仁親王でした。さらに、1906年には日露戦争の功績により、17名の陸海軍の高官が功一級を受章しました。

金鵄勲章の意匠

金鵄勲章の意匠は、金色に輝く霊鵄とともに、大神宮を象徴する盾・矛・剣を組み合わせたもので、圧倒的な存在感を持っています。勲章の綬は浅葱色で、白の双線が配され、また、等級によって細かいデザインの違いがあります。特に功二級の正章には七宝が施され、独自の美を放っています。

1945年の廃止

太平洋戦争の敗北後、1945年に金鵄勲章に関するすべての事務が廃止され、1947年には日本国憲法が施行されるとともに、金鵄勲章は完全に廃止されました。このような背景により、生存者への授与が停止され、次第に金鵄勲章の存在は過去のものとなりました。

戦後の復権運動

戦後、金鵄勲章の叙勲が停止された際、一部の受章者たちは名誉と年金の復活を求めて「金鵄連盟」を結成しました。1985年には、「旧勲章名誉回復に関する懇談会」が設立され、国会議員を交えた活動が行われました。1986年には佩用が認められ、受章者の意義が再び注目されることとなりました。

受章者の一覧

金鵄勲章の受章者は多岐にわたり、日清戦争や日露戦争をはじめ、さまざまな戦争の功績を称えられた多くの陸海軍の高官たちが名を連ねています。中でも、功一級を受章した者は42人に及び、大部分が大将で構成されています。具体的な受章者には、日露戦争での功労により受賞した陸軍・海軍の著名な将官たちがいます。

このように、金鵄勲章は日本の勲章制度において独自の地位を築き、歴史的には重要なシンボルとなりました。その存在は、当時の日本の軍事的背景や文化を色濃く反映しています。

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