釘無橋

釘無橋（くぎなしばし）について

埼玉県道12号川越栗橋線にかかる釘無橋は、川越市府川と比企郡川島町の間を流れる入間川および越辺川を跨いでいます。この橋は1973年に完成し、その全長は561.95メートル、幅8.0メートル、最大支間長は43.4メートルを誇る鋼鈑桁橋です。歩道は橋の下流側にのみ設置されています。

釘無橋の特徴的な点は、取付高架橋の下に府川橋という伊佐沼代用水の橋が存在することであり、これは河川の橋の真下に別の橋が存在する珍しい事例です。また、左岸側の取付道路の斜路は土を盛り上げた構造になっており、堤防の道路は左岸側だけがアクセス可能です。現地では東武バスウエストの路線バス（川越04系統）が走行しており、最寄りのバス停留所は川島側の「釘無土手上」、川越側の橋を降りた後に位置する「二本松」です。さらに、釘無橋は埼玉県の第一次緊急輸送道路に指定されており、地域の交通の要所となっています。

歴史的背景

釘無橋はもともと江戸時代に「釘無の渡し」という渡し場があった場所で、いつから渡し場として機能していたかは明らかではありませんが、1802年には既に設置されていたとされます。当初、この渡し場は公的に管理されており、渡船二艘が運用されていました。この渡し場は明治時代まで存続していました。

国土地理院が発行した明治40年および43年の地形図には、蛇行する入間川に橋のシンボルが記されており、明治末期には橋が架けられていたことが分かります。この頃、越辺川は上流の落合橋の手前で入間川に流れ込んでおり、当初は入間川のみに橋が架けられていました。1944年に始まった三川分流工事は1954年に完成し、越辺川の合流点が釘無橋の下流に移されることに伴い、木製の冠水橋が二つ架けられました。

冠水橋は老朽化と耐荷力不足のため撤去され、1973年には現在の釘無橋が完成しました。この新しい橋の開通式は同年12月7日に行われ、祝賀行事として打ち上げ花火や山車の行進が行われました。なお、跡地に位置する釘無橋は大字釘無から外れた場所に存在するというユニークな地理的特性を持っています。

周辺環境

釘無橋は周辺の教育施設や企業とも結びついており、埼玉県道157号川越狭山自転車道線が橋をアンダークロスします。地域には城西川越中学校や城西大学付属川越高等学校があり、教育環境も充実しています。また、埼玉県立川島ひばりが丘特別支援学校やホンダ製菓の本社工場も近くに位置しています。その他、地域には慈眼寺や稲荷神社も点在し、自然や文化を楽しむことができます。

さらに、隣接する橋の情報として、入間川に架かる平塚橋や落合橋、出丸橋、入間大橋、越辺川の道場橋などがあり、地域の交通網は非常に充実しています。

以上のように、釘無橋はその交通機能だけでなく、地域の歴史や文化との関わりを深く持った重要なインフラです。

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