釘貫亨

釘貫亨（くぎぬき とおる）は、1954年4月29日生まれの日本の国語学者です。名古屋大学の教授を歴任し、現在は同大学の名誉教授として、研究活動を続けています。

和歌山県和歌山市で生まれた釘貫氏は、1979年に京都教育大学教育学部国文学科を卒業。その後、東北大学大学院文学研究科日本語学博士後期課程に進学しましたが、1981年に単位取得満期退学しました。1997年には、博士論文「古代日本語の形態変化」で名古屋大学から博士（文学）の学位を授与されています。

研究者としてのキャリアは、1982年に富山大学講師としてスタートし、1986年に同大学の助教授に昇進。1993年には名古屋大学文学研究科の助教授に着任し、1997年に教授となりました。2020年に定年退職するまで、長年にわたり名古屋大学で教鞭を執り、多くの学生を指導しました。

釘貫氏の研究は、古代から現代に至るまでの日本語の変遷を深く掘り下げたものが多く、特に、古代日本語の形態変化や近世仮名遣いに関する研究は、この分野における重要な貢献として高く評価されています。

著書としては、『古代日本語の形態変化』（1996年）、『近世仮名遣い論の研究：五十音図と古代日本語音声の発見』（2007年）、『「国語学」の形成と水脈』（2013年）、『動詞派生と転成から見た古代日本語』（2019年）、そして近著に『日本語の発音はどう変わってきたか：「てふてふ」から「ちょうちょう」へ、音声史の旅』（2023年）などがあります。これらの著作は、詳細な文献調査と精緻な分析に基づき、日本語史研究に新たな視点をもたらすものとして、広く読まれています。

また、宮地朝子氏との共編著『ことばに向かう日本の学知』（2011年）では、日本の言語学研究における多様な視点を提供しています。

釘貫氏の論文は多岐にわたり、古代日本語の音韻や文法、語彙の変化など、様々な側面から日本語の歴史を解明しようとするものです。

釘貫亨は、その長年の研究活動を通じて、日本の国語学研究に多大な貢献を果たした人物として、広く知られています。彼の研究は、今後の日本語研究においても重要な礎となるでしょう。

名古屋大学のウェブサイトは、彼の研究業績や活動について知る上で役立ちます。アーカイブされた情報も参照することで、彼の足跡をより深く理解することができるでしょう。

釘貫亨の研究は、単に過去の日本語を解明するだけでなく、現代の日本語を理解する上でも重要な示唆を与えてくれます。日本語の歴史と構造に興味を持つ人にとって、彼の著作は必読と言えるでしょう。

もう一度検索