釜ヶ崎日雇労働組合

釜ヶ崎日雇労働組合（釜日労）

釜ヶ崎日雇労働組合（かまがさきひやといろうどうくみあい、略称：釜日労（かまにちろう））は、大阪市西成区のあいりん地区（通称：釜ヶ崎）を拠点とする日雇労働者のための労働組合です。

概要

1976年の第6回釜ヶ崎越冬闘争後、「釜ヶ崎仕事補償闘争委員会」として発足。「仕事よこせ」のスローガンを掲げ、大阪市による花園公園テント村の強制撤去を機に、恒久的な労働者組織として同年7月1日に結成されました。釜ヶ崎の日雇労働者の権利獲得と、「安心して働き、生活できる社会」の実現を目指し活動しています。

主な活動

悪質業者との闘い: 1970年代後半には、「半タコ・ケタオチ戦」を展開。タコ部屋同然の飯場や、低賃金・劣悪条件の飯場と徹底的に対決しました。1977年には、暴行・監禁飯場である中島組との闘争で、大阪府警察の妨害を受けながらも持久戦を敢行。火炎瓶を使用して飯場を焼き討ちするという最終手段を取り、決着を図りました。
寄せ場労働運動の再結集: 四大「寄せ場」の運動勢力の再結集を目指し、全国日雇共闘から寄せ場交流会、そして1982年の全国日雇労働組合協議会(日雇全協)結成へと繋げ、反動的な国策事業との対決を掲げ、労働運動と政治闘争を結合させてきました。
労働条件の改善: 1980年代には、「寄せ場春闘」を展開し、賃上げを要求。労働センターでの大衆的な闘いを通じて、最低賃金以下の求人を阻止し、釜ヶ崎の求人単価を全国水準まで引き上げることに成功しました。
失業対策闘争: 1990年代のバブル崩壊後の大不況下では、大量の野宿者が発生した釜ヶ崎で、1993年に釜ヶ崎反失業連絡会を結成。「仕事よこせ」と「寝床よこせ」を軸にした反失業闘争を展開。機動隊の包囲網を突破しての労働センター夜間開放闘争や、大阪府庁舎前での野営闘争などを繰り返し、行政からシェルターの設置や特別清掃事業を勝ち取りました。

その他の活動

三里塚闘争への参加: 現在も三里塚芝山連合空港反対同盟（旧熱田派）の活動に参加しています。
NPO法人釜ヶ崎支援機構への協力: 1999年、反失連とともにNPO法人釜ヶ崎支援機構の設立に貢献しました。

組織

事務所: 大阪市西成区萩之茶屋1丁目9番7号
歴代委員長:
初代：稲垣 浩（1976年～1980年）
二代目：山田 實（1980年～2010年）
* 三代目：山中秀俊（現委員長）

釜日労は、釜ヶ崎の労働者の権利を守り、より良い社会を実現するために、今後も活動を続けていきます。

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