三里塚芝山連合空港反対同盟

三里塚芝山連合空港反対同盟

三里塚芝山連合空港反対同盟は、新東京国際空港（現在の成田国際空港）の建設とそれに伴う土地収用に反対する地域住民の団体です。この団体は1966年に結成され、以降半世紀以上にわたり継続的に運動を展開してきました。特に、反対同盟はこの問題に対する強い抗議を示し、地域住民の声を代弁する役割を果たしています。

結成の経緯

反対同盟は1966年8月22日に、成田市三里塚および芝山町の農民を中心に結成されました。当初、340戸以上の農家が参加し、地元の地域団体として『青年行動隊』『婦人行動隊』などのグループを組織しました。これにより、住民は団結して国の強権的な土地収用に対抗しました。反対同盟は、接収されていない農地での営農支援を行い、また空港建設の実施を監視するため「団結小屋」を設置しました。

対国権力の闘争

反対同盟の運動は、日本国内の新左翼勢力とも連携して進められました。これにより、同盟は数多くの激しい衝突を経て、公権力との対立が続きました。1971年には機動隊員3人が亡くなった「東峰十字路事件」が発生し、これにより国内外で注目を集めました。反対同盟は、政府や公権力に対して厳しい姿勢を崩さず、数多くの逮捕者も出しました。

分裂とその後の運動

1983年には反対同盟が分裂し、「北原派」と「熱田派」に二つの主要派閥が形成されました。北原派は新左翼の支援を受けつつ過激な運動を継続し、熱田派はより穏健な対話路線を模索しました。その後も各派はそれぞれ独自の活動を展開し、選挙運動にも参加するなど政治的な影響力を持とうとしました。

政治活動

選挙戦では、参議院や市町議会選挙で同盟員が出馬し、具体的な議席を獲得しました。こうした活動が地域政治における存在感を高める一因となり、北原鉱治や相川勝重などのリーダーが重要な役割を果たしました。

自立した運動の展開

反対同盟の各派は、反原発や沖縄の辺野古埋め立て問題など、空港問題にとどまらず、様々な社会問題にも関与するようになりました。特に北原派は中核派等の新左翼勢力との連携を強め、旧熱田派も新たな連携による運動を模索しました。旬の問題に対するアプローチはそれぞれ異なるものの、反対同盟としての目的は持ち続けていると言えます。

シンボルとその意義

反対同盟には共通のシンボルマークが存在し、これは社会の連帯を象徴しています。当初は「社会党」「反対同盟」「共産党」との連携を表すものでしたが、後に労働者、農民、学生の連帯を強調するようになりました。これは団体の歴史と活動を支えるアイコンになっており、今もなお重要な意味を持っています。

未来へ向けた展望

現在も反対同盟は活動を続けており、土地の保有や地域の権利主張を目的としている活動が行われています。また、より多くの世代がこの問題に関心を持ち、参加することが期待されています。2017年にはそうした活動のリーダーたちが相次いで他界しましたが、彼らの意志を受け継ぎ、今後も運動は続いていくことでしょう。地域住民の自立と権利の獲得を目指す反対同盟の活動は、今後も地域社会における重要な行動として位置付けられるでしょう。

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