釧路湿原全国車いすマラソン

釧路湿原全国車いすマラソン

釧路湿原全国車いすマラソン（くしろしつげんぜんこくくるまいすマラソン）は、北海道釧路市において、例年8月に釧路湿原の南東部で開催されていた車いすマラソン大会です。この大会は1986年に産声を上げ、30年以上にわたり多くの車いすランナーが集う場となっていましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大や参加者数の継続的な減少といった複合的な要因により、2019年度（令和元年度）の開催が最後となり、2021年度（令和3年度）をもって大会の終了が正式に決定されました。

歴史

この大会は、1986年度（昭和61年度）に「釧路湿原車いすマラソン大会」としてスタートしました。開始当初は地域的な大会でしたが、第7回大会からは全国規模の大会へと発展し、各地から選手が集まるようになりました。本大会の一つの特徴として、一部の競技種目においては、健常者も車いすを使用して参加することが認められていた点が挙げられます。

大会の会場は、当初は釧路市大規模運動公園市民球場の駐車場を一時的に利用していましたが、1987年に釧路市民陸上競技場が完成したことを受け、1992年からは同競技場を発着点とする現在のコース形態となりました。平坦なコース設定は、車いすマラソンに適した環境を提供しました。

しかし、2019年度（令和元年度）の大会を最後に、大会の継続が困難となります。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に加え、東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う警備体制の問題などが重なり、2年連続で大会開催が見送られることになりました。また、参加者数の減少も深刻な課題でした。2001年度（平成13年度）をピークに年々減少傾向にあり、近年は参加者総数が100名を下回る状況が数年にわたって続いていました。これらの状況を踏まえ、大会実行委員会は2021年度（令和3年度）に大会の終了を決定しました。

大会終了後、釧路湿原全国車いすマラソン大会実行委員会は2022年（令和4年）4月15日に解散しましたが、これに代わる形で「釧路市パラスポーツ大会実行委員会」が新たに設立されました。この新しい実行委員会は、後継となる市民参加型のパラスポーツ振興事業として、ボッチャを中心としたイベントを企画しました。現在では、ボッチャ競技を核とする「くしろパラスポフェスタ」が開催されており、釧路市におけるパラスポーツ振興の新たな形が模索されています。

種目

大会で実施された主な競技種目は以下の通りです。

ハーフマラソン（約21.0975km）
8km
2km
300m（オープン競技）

特に2km競技については、健常者が車いすに乗って参加することが許可されており、より多くの市民が車いすマラソンを体験できる機会を提供していました。コースは釧路市民陸上競技場をスタートし、同競技場にフィニッシュする平坦なルートが設定されていました。

主催・事務局

この大会は、以下の団体によって主催されていました。

釧路市
釧路市社会福祉協議会
北海道新聞釧路支社

大会に関する事務は、釧路市身体障害者福祉センターが担当していました。

大会結果（ハーフマラソン優勝者の一部）

近年のハーフマラソン優勝者の一部を以下に示します。

2012年8月26日：久保恒造（北海道）45分09秒
2011年8月28日：花岡伸和（東京）42分34秒
2010年8月29日：洞ノ上浩太（福岡）43分15秒（男子）、久保田とし子（北海道）1時間6分33秒（女子）
2009年8月30日：松永仁志（岡山）45分52秒（男子）、久保田とし子（北海道）1時間2分31秒（女子）
2008年8月31日：藤川泰博（兵庫）49分18秒（男子）、正中かおり（兵庫）1時間9分3秒（女子）

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