鈴乃屋

株式会社鈴乃屋について

株式会社鈴乃屋（すずのや）は、日本の伝統的な呉服を取り扱う専門店であり、神奈川県川崎市高津区に本社を構えています。鈴乃屋は、まるやま・京彩グループの一員であり、株式会社紅輪の完全子会社として運営されています。

会社の歴史

鈴乃屋の起源は1930年にさかのぼります。初めて創業したのは日本橋での呉服商でありましたが、戦災で店舗が焼失し、その後、1947年に小泉清子氏が上野広小路にて「きもの帯 鈴乃屋」として再スタートを切ります。1950年には法人化され、株式会社鈴乃屋が設立されました。当初、鈴乃屋は急速に事業を展開し、1970年代には全国に100店舗以上を展開、1983年には165店舗に達しました。この躍進に伴い、鈴乃屋は「大河ドラマ」の衣装考証なども手がけ、1990年には約680億円の売上を記録しました。

業績の変遷

しかし、その後、着物市場は変化し、購入よりもレンタルにシフトする傾向が強まりました。その影響で業績は悪化し、不採算店舗の閉鎖が進みました。2017年には売上が約85億円と大幅に減少し、さらに2020年以降は新型コロナウイルスの影響で業績が厳しくなりました。特に卒業式や入学式の中止により、業績がいつまでも回復しない状況が続き、借入金は2022年には50億円に達しました。

経営再建の取り組み

こうした状況から鈴乃屋は経営再建を模索し、スポンサーを募ることとなりました。そして、2024年3月18日にまるやま・京彩グループとの資本業務提携を結び、同時に新設分割により新会社を設立し、その株式を紅輪に譲渡する契約が締結されました。新設された株式会社鈴乃屋（新社）は、2024年4月25日に旧社から着物販売事業を継承し、紅輪の子会社となります。この新社は東京都千代田区に本社を置き、登記上の本店も自由が丘まるやま本店と同じ場所に設けられます。

旧社から新社への変革

その後、旧社は商号を株式会社平河に変更し、事業譲渡当日に清算手続きに入る予定でしたが、急減した売上の影響で資金不足が発生しました。2024年5月22日には、平河が東京地方裁判所に対して破産の申し立てを行い、破産手続きが開始されることとなりました。平河の負債は約34億円に達しましたが、これに対して新社の運営が行われ続けることが期待されています。

現在のグループ構成

鈴乃屋グループには、きもの学院、レンタルブティック、トラベルなど様々な関連会社が存在します。これにより、鈴乃屋は単なる呉服販売だけでなく、伝統文化の普及や着物のレンタルサービスにも力を入れています。今後の鈴乃屋の動きに注目が集まります。

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