鈴木かほる

鈴木かほる

鈴木かほる氏（1946年生まれ）は、日本中世史を専門とする研究者であり、特に三浦一族の研究において第一人者として知られています。2016年には瑞宝単光章を受章されました。

プロフィール

神奈川県出身。國學院大學文学部史学科を卒業後、国家公務員特別職を経て、研究・執筆活動に入られました。三浦一族研究会特別研究員を務める傍ら、講演活動や、NHKの歴史番組など、メディアへの出演も多数あります。鎌倉遺文研究会、戦国史研究会、日本海事史学会、国史学会など、幅広い学会に所属し、NHK文化センター講師も歴任されました。また、元横須賀市景観審議会委員、横須賀FM放送番組審議委員会副会長も務められています。

研究活動

鈴木氏の研究は、中世史にとどまらず近世史までを射程に収め、その対象は多岐にわたります。三浦一族に関する研究は特に深く、その歴史、文化、社会構造について詳細な分析を行っています。また、海事史にも造詣が深く、2017年には香港海事博物館で開催されたアジア太平洋地域水中文化遺産会議で「マニラとアカプルコの間の浦賀湊」に関する研究報告を行いました。2019年には、神奈川県横須賀市の東叶神社に建立された「日西墨比貿易港之碑」の撰文を担当するなど、地域文化への貢献もされています。

著書

『幻の鎌倉執権三浦氏―関白九条道家凋落の裏側―』（清文堂, 2022年）
『史料が語る向井水軍とその周辺』（新潮社図書編集室, 2014年）
『徳川家康のスペイン外交―向井将監と三浦按針―』（新人物往来社, 2010年）
『関東武士研究叢書6　三浦氏の研究』（共著, 名著出版, 2008年）
『相模三浦一族とその周辺史―その発祥から江戸期まで―』（新人物往来社, 2007年）
『三浦半島の史跡みち』（かまくら春秋社, 2007年）
『史料が語る坂本龍馬の妻お龍』（新人物往来社, 2007年）
『三浦一族の史跡道』（横須賀市, 2005年）
『横須賀人物往来』（共著, 横須賀市, 1999年）
『図説三浦半島その歴史と文化(上巻)』（共著, 郷土出版, 1994年）
『ハイクガイド三浦半島』（神奈川新聞社, 1990年）

主要論文

「英国通商成立までのウイリアム・アダムスの十三年間の動向を検証する」『国史学』239号, 2023年
「美作国高田城主・三浦横須賀氏二三〇年の動向」『三浦一族研究』25号, 2021年
「三浦按針の「鬢髪出土」の誤報に対する指摘ー明治三八年『時事新報』の発掘調査報告より」『海事史研究』第76号, 2019年
「寛元の政変・宝治合戦の通説への疑問ー建長・弘長騒動までを見直すー」『鎌倉遺文研究』38号, 2016年
「スペイン外交と浦賀湊」『郷土神奈川』52号, 神奈川県立図書館, 2014年
* 「源頼朝の挙兵と三浦一族」『三浦一族研究』17号, 2013年

...（他多数）

鈴木かほる氏は、長年にわたる研究活動を通じて、日本中世史、特に三浦一族に関する理解を深め、その成果を広く社会に還元しています。その研究は、学術的な価値だけでなく、地域文化の振興にも大きく貢献しています。

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