鈴木創士

鈴木創士（すずき そうし）は、1954年4月8日生まれの多才な活動家です。兵庫県神戸市出身。

経歴と活動分野

甲陽学院高等学校を卒業後、フランスへ渡り、帰国後、思想・文学系の出版社であるサバト館で生田耕作氏の顧問の下、編集者として携わりました。その活動は文学、思想、批評といった領域に留まらず、音楽表現にも深く関わっています。

文学・思想分野での貢献

フランス文学者、評論家、翻訳家として、現代思想や前衛芸術に関する数多くの重要な著作や翻訳を手がけています。特にアントナン・アルトーやエドモン・ジャベスといった難解かつ革新的な作家の紹介・翻訳に力を注ぎ、国内における彼らの受容に大きく貢献しました。ジル・ドゥルーズ、フィリップ・ソレルス、ジュリア・クリステヴァ、ジャン・ジュネ、アルチュール・ランボー、ボリス・ヴィアンなど、翻訳対象は多岐にわたります。これらの翻訳書を通じて、フランスの現代思想や文学の最前線を日本の読者に伝えてきました。

作家としては、『アントナン・アルトーの帰還』をはじめとする評論や、『中島らも烈伝』のような人物論、そして『離人小説集』や『うつせみ』といった小説作品まで、幅広いジャンルで執筆活動を展開しています。批評的エッセイ集や文学雑記も多数発表しており、その独特の視点と文体で多くの読者を引きつけています。また、「エートル叢書」や『アルトー後期集成』といった重要な叢書・全集の監修も務め、特定の思想家やテーマの網羅的な紹介にも貢献しています。

音楽活動

文学・思想分野での活動と並行して、鈴木創士は音楽家としても重要な足跡を残しています。特に、1980年代初頭にカルト的な人気を博したニューウェーヴ・バンド、EP-4の初期オリジナルメンバーとしてキーボードを担当していました。EP-4は日本の音楽シーンにおいて独自の実験性と世界観で知られています。長らく音楽活動から離れていましたが、2012年に約30年ぶりにEP-4のライブに参加して以降、継続的にEP-4や、そこから派生したユニットであるEP-4 unitPとしてライブ活動を行っています。

さらに、他のミュージシャンとのコラボレーションも積極的に行っており、森田潤氏との共同名義での作品発表やライブ、コシミハル氏への作詞・翻訳提供、The Zzzippsやチルドレンクーデターといったバンドへの参加など、その音楽活動は多岐にわたります。これらの音楽活動は、彼の文学・思想における関心とも響き合う、実験的で前衛的な要素を含んでいます。

鈴木創士は、フランス文学、思想、批評といったアカデミックな領域での深い探求と、ジャンルを超えた音楽表現を往還することで、他に類を見ないユニークな活動を展開し続けています。

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