鈴木茂 (ギタリスト)

鈴木茂の音楽キャリア

鈴木茂（すずきしげる）は、1951年12月20日に東京で生まれました。彼は日本の音楽シーンで長年にわたり重要な役割を果たしてきたギタリスト、作曲家、編曲家です。彼は1960年代から数々のバンドで活動し、特にはっぴいえんどやティン・パン・アレーにおいてその名を知られるようになりました。

初期の音楽活動

世田谷区で育った鈴木は、中学生の頃からギタープレイに目覚め、最初のバンド「CIA」に参加します。彼の実兄の同級生である柳田ヒロに導かれ、立教大学の音楽イベント「PEEP」に参加し、そこで細野晴臣や林立夫、小原礼などの音楽家と出会います。そして1968年には林立夫、小原礼と共に「スカイ」を結成し、1969年にははっぴいえんどに加入。そこで彼はギターだけでなくボーカルでも才能を発揮し、「花いちもんめ」などの楽曲に参加しました。

はっぴいえんど解散後、彼は細野晴臣と共にキャラメル・ママを結成、さらにティン・パン・アレーへと活動の幅を広げていきました。しかし、彼は思わぬ苦難を抱えており、大麻を使用し続け、2009年に逮捕される事態に陥ります。

ソロキャリアとアレンジャーとしての活動

1975年、鈴木はロサンゼルスで自身初のソロアルバム『BAND WAGON』を録音しました。帰国後、ハックルバックを結成し、様々な場でパフォーマンスを行いました。また、小坂忠のバックとして全国ツアーも経験しました。彼のキャリアは1970年代後半から1980年代にかけて広がり、数多くのアルバムやシングルに参加しました。

鈴木は1990年代には尾崎亜美や小原礼とともに桃姫BANDを結成し、阪神・淡路大震災の復興チャリティなどにも積極的に参加しました。なかでもWITH YOUというチャリティユニットでの活動も記憶に残ります。

また、鈴木はセッションミュージシャンとしても非常に活動的で、2006年の時点で参加したアルバムは517枚、シングルは71枚に上ります。特に635曲のアレンジを手がけ、音楽制作における重要な存在となりました。

大麻事件とその後の活動

逮捕後の鈴木は懲役6ヶ月、執行猶予3年の有罪判決を受け、2012年に執行猶予が満了しました。その後、音楽活動を再開し、2014年1月には教則DVD『鈴木茂 ギター・プレイ・オブ・バンドワゴン』をリリースしました。

2018年には第69回NHK紅白歌合戦に松任谷由実のバックバンドとして出演するなど、音楽界への復帰を果たしました。彼は「佐野史郎 meets SKYE with 松任谷正隆」としてアルバム『SKYE』も発表し、音楽活動の幅を広げています。

代表的なディスコグラフィ

鈴木のディスコグラフィには多くの名作があり、シングルとしては「八月の匂い」や「砂の女」などが代表的です。また、アルバムにおいても『BAND WAGON』や『クジラの海〜Living Whales』など、多数の作品がリリースされています。

鈴木茂は日本の音楽界において、アーティストとしての自身の声音を確立しながら、セッションミュージシャンとして数え切れないほどの楽曲に爪痕を残してきた人物です。その根底に流れる情熱と創造性は、今後も多くのファンに影響を与え続けることでしょう。

もう一度検索