鈴木裕美子 (自転車選手)

鈴木裕美子：女子自転車界の先駆者

鈴木裕美子（すずき ゆみこ）は、1960年8月6日生まれ、秋田県山本郡峰浜村（現在の八峰町）出身の元自転車競技選手です。彼女は、日本における女子自転車競技の黎明期を支え、数々の功績を残したパイオニアとして知られています。

スポーツ一家に育つ

鈴木裕美子は、スポーツ一家に生まれ育ちました。父親は三段跳びでインターハイ優勝、母親もハードルでインターハイに出場経験を持つという、運動能力の高い両親の影響を受け、幼い頃からスポーツに親しんでいました。

中学校時代は陸上部、能代高校時代はスキー部に所属し、アルペンスキーでインターハイに出場するなど、スキー選手としても活躍しました。

自転車競技への転向と輝かしい実績

日本大学に進学後もスキーを続けていましたが、3年生の時にスキー部の監督から自転車競技への転向を勧められます。これが彼女の運命を大きく変える転機となりました。

自転車競技を始めて間もないデビュー戦、全日本学生新人大会でいきなり優勝を果たします。その後も、関東学生選手権、全日本学生選手権でもタイトルを獲得するなど、その才能を開花させました。

大学卒業後は、パルコに入社しますが、自転車部は解散。その後、クラブチーム「フトッタブタタチ」に加入し、義理の妹のコーチであり、後に夫となる今野信（現姓・鈴木）氏の指導を受けました。1986年、1987年の全日本アマ選手権を連覇し、1000mタイムトライアルの日本記録も保持するなど、アマチュア選手として輝かしい実績を残しました。

幻のオリンピックとバルセロナ五輪出場

1988年、カルガリーオリンピックでの冬夏五輪出場を目指していたスピードスケート選手の橋本聖子と、ソウルオリンピックの出場権を懸けてスプリントで対戦しましたが、惜しくも敗退。オリンピック出場は叶いませんでした。

しかし、1992年のバルセロナオリンピックでは、ロードレースで念願のオリンピック出場を果たしました。結果は50位でしたが、32歳という年齢でオリンピックの舞台に立ったことは、多くの人に感動を与えました。

現役引退後

1998年には、37歳で「東京女子クリテリウム」で優勝するなど、ベテランとなってもその実力は衰えることはありませんでした。

2000年に現役を引退。現在は、三重県鳥羽市内でご夫婦で自転車店を経営されています。また、1994年には、彼女の功績を称え、地元に「ゆみこロード」というサイクルロードが整備されています。


鈴木裕美子は、女子自転車競技の発展に大きく貢献した人物として、その名前は日本の自転車史に深く刻まれています。

関連項目

秋田県出身の人物一覧
日本大学の人物一覧#自転車

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