鈴木輝一郎

鈴木輝一郎（すずききいちろう、1960年 7月24日 - ）は、岐阜県大垣市出身・在住の日本の小説家、コラムニストです。

経歴

岐阜県立大垣東高等学校、日本大学経済学部を卒業後、ゲームメーカーのタイトーに入社。東京で営業や店舗開発に従事しました。1988年にタイトーを退社し、岐阜に戻り実家の鈴木コテ製作所に入社。工場での製造、営業を経て、2002年に代表取締役に就任しました。2014年に鈴木コテ製作所を自主廃業。

小説家としては、タイトー在社中の25歳の時、社内報の記事執筆とワープロ専用機購入を機に小説を書き始めました。新人賞への応募を重ね、1989年からは山村正夫の小説講座に通い、篠田節子らと知り合います。1990年、小説現代ショートショート・コンテストで星新一に絶賛され入選。1991年、『情断！』でデビュー。1994年には、短編小説「めんどうみてあげるね」で第47回日本推理作家協会賞を受賞しました。

現代ミステリーでデビュー後、時代小説、歴史小説、エッセイなど幅広いジャンルで活躍。近年は歴史小説に活動の重心を移しています。

エピソード

自身の体験を基にした作品も存在します。『ご立派すぎて』は見合い体験、『ほどよく長生き死ぬまで元気遺産そこそこ遺書はしっかり』は介護の連鎖地獄がモチーフとなっています。

「仕事と女性は来るもの拒まず」をモットーとし、雑誌『本の雑誌』の読者投稿欄の常連投稿者でもあります。インターネットの黎明期からホームページやウェブ日記を始めるなど、新しいものへの関心も高いです。

タイトー退社時、オール讀物推理小説新人賞の最終選考に残るも、宮部みゆきに敗れています。2004年からNHK名古屋文化センター、2010年からぎふ中日文化センターで小説講座の講師を担当。奥山景布子、水生大海などを輩出しました。

新人賞への応募経験から、小説講座では「プロデビューに新人賞は必須」と力説する一方で、ネット小説からのプロデビューや文学フリマについても肯定的な見解を示しています。

作品

小説

『情断！』（講談社ノベルス、1991年）
『狐狸ない紳士』（光文社カッパノベルス、1992年）
『国書偽造』（出版芸術社、1993年）
『地球という名の方舟』（角川ノベルズ、1993年）
『雲雀唐入り秀吉の影と陰』（出版芸術社、1994年）のちに『秀吉夢のまた夢』と改題
『ご立派すぎて』（講談社、1994年）
『首都誘拐』（祥伝社ノン・ノベル、1994年）
『新宿職安前託老所』（出版芸術社、1995年）のちに『めんどうみてあげるね新宿職安前託老所』と改題
『はぐれ五右衛門』（双葉社、1997年）
『美男忠臣蔵』（講談社、1997年）
『狂気の父を敬え』（新潮社、1998年）のちに『織田信雄狂気の父を敬え』と改題
『白浪五人男』（新潮社、1999年）
『片桐且元』（小学館、2000年）のちに『対決！！片桐且元家康真説大坂の陣』と改題して再刊
『他人の不幸は銭の味』（小学館、2000年）
『死して残せよ虎の皮浅井長政正伝』（徳間書店、2000年）のちに『浅井長政正伝死して残せよ虎の皮』と改題
『真田密伝』（角川春樹事務所、2002年）
『三人吉三明日も同じたぁつまるめえ』（双葉社、2002年）
『ほどよく長生き死ぬまで元気遺産そこそこ遺書はしっかり』（小学館、2002年）のちに『ほどよく長生き死ぬまで元気』と改題
『中年宮本武蔵』（双葉社、2003年）
『罪と罠へのアドレス』（実業之日本社、2003年）
『幻術絵師、夢応のまぼろし』（河出書房新社、2003年）
『巴御前』（角川書店、2004年）
『信長が宿敵本願寺顕如』（毎日新聞社、2005年）のちに『本願寺顕如信長が宿敵』と改題
『燃ゆる想ひを』（河出書房新社、2005年）
『戦国の凰お市の方』（河出書房新社、2007年）のちに『お市の方戦国の凰』と改題
『戦国の鬼森武蔵』（出版芸術社、2007年）
『信長と信忠』（毎日新聞社、2009年）
『金ケ崎の四人信長、秀吉、光秀、家康』（毎日新聞社、2012年）
『姉川の四人信長の逆切れ』（毎日新聞社、2013年）
『長篠の四人信長の難題』（毎日新聞出版、2015年）
『桶狭間の四人光秀の逆転』（毎日新聞出版、2017年）
『光秀の選択』（毎日新聞出版、2020年）

エッセイ

『戦国武将に学ぶ「風格」の研究彼らにおける老いの品性・老いの真価とは』（祥伝社ノン・ブック、2001年）
『吠えず芸せず噛みつかず』（河出書房新社、2001年）
『何がなんでも作家になりたい！』（河出書房新社、2002年）
『家族同時多発介護』（河出書房新社、2003年）
『時代小説が書きたい！』（河出書房新社、2004年）
『もしも義経にケータイがあったなら』（新潮新書、2005年）
『日本語の逆襲』（小学館、2007年）
『新・何がなんでも作家になりたい！』（河出書房新社、2013年）
『何がなんでも新人賞獲らせます！』（河出書房新社、2014年）
『何がなんでもミステリー作家になりたい！』（河出書房新社、2019年）
『印税稼いで三十年』（本の雑誌社、2021年）
『何がなんでも長編小説が書きたい!』（河出書房新社、2021年）

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