鈴谷 (通報艦)

鈴谷 (すずや)

鈴谷は、日本海軍において通報艦として知られています。この艦名は、樺太に位置する鈴谷川に由来しています。元々はロシア帝国の二等防護巡洋艦「ノヴィーク」として建造され、優れた速力を誇りました。ノヴィークは当時、世界で高い評価を受けており、特に高速偵察艦として重宝される存在でした。

艦の概要

1904年の日露戦争において、鈴谷は黄海海戦に参加し、戦闘を経験します。しかし、戦闘後に樺太近海で日本海軍艦艇に発見され、攻撃を受けて擱座する結果となります。その後、日本軍によって引き上げられ、改修を経て1906年に「鈴谷」として日本海軍に編入されました。しかし、元々の「ノヴィーク」からの変更により、軍艦としては速力が19ノットに低下し、最終的には通報艦としての運用が求められることとなりました。

艦型と特徴

鈴谷は3本の煙突と1本のマストを持つ防護巡洋艦の形をしており、当時の駆逐艦攻撃や偵察任務に強みを持っていました。速力の低下を受けて、日本海軍ではこの艦を大型の警備艦峡に類別しました。また、外観も変更され、1つの煙突が撤去され、デザインとしては特徴的なものとなりました。

機関・速力

鈴谷の推進方式は1軸で、4基あるボイラーのうち1基が故障するも、残る3基で16.5ノットが可能でした。このように、鈴谷は全体的に機関の能力が制限されていましたが、艦としての役割は依然として求められていました。

兵装

鈴谷の兵装は時期によって異なる記録がありますが、基本的には12cmの砲6門と水上発射管が備え付けられていたと言われています。艦装備が拡充される中で、最新の無線通信技術を導入し、戦時における情報伝達能力向上も図られました。

艦歴

鈴谷は1906年に就役した後、旅順での警備任務や演習に参加しました。大正に入ると、特定の訓練や視察任務にも挑戦し、短期間ではありましたが日本海軍の一翼を担っていました。しかし、1913年には除籍され、廃艦となる運命を辿りました。その後、売却されることが決定され、最終的には大阪の業者に譲渡されました。

艦長たち

歴代の艦長は数人が名を連ね、鈴谷の艦歴を支えていました。彼らは艦の運用や指導において重要な役割を果たしました。特に初代艦長となる茶山豊也大佐は、艦の運用における指導者として知られています。

鈴谷の艦歴は意外と短命でしたが、その存在は日本海軍において重要であり、艦の技術や変遷が時代の流れを映し出す部分でもあります。

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