鉄道企業体カーゴ・スロバキア

鉄道企業体カーゴスロバキア株式会社の概要

鉄道企業体カーゴスロバキア株式会社（ZSSK Cargo）は、スロバキアの国有企業で、2005年1月1日に設立された。設立は、スロバキア国鉄の列車運行事業を継承する形で行われた再分社化によるもので、貨物運送サービスを主な目的としている。2020年12月時点での社員数は4753人にのぼり、これは設立からの15年間で60%減少した結果である。

同社はスロバキア国鉄および他の国の鉄道路線を利用し、国内外の貨物列車を運行。国際貨物輸送においても、ウクライナとの接点であるチエルナッチソウおよびマチョウツェの鉄道駅では、積替ヤードを経由して多様な貨物を取り扱っている。例えば、鉄鉱石や化学薬品、木材など、幅広い品目の貨物が国内外で流通している。

収入と輸送量

2020年度の貨物収入は、国内の輸送が約3450万6000ユーロ、国際輸送は約1億7309万8000ユーロとなっており、取扱貨物量は2622万2000トンに達する。特に鉄鉱石が956万トンで最も多く、その他、石炭や金属製品、建材、化学薬品などが続く。貨物輸送の中心は、政府との見込みのもと、主にスチール生産者であるUSスチールコシツェ向けの輸送であり、社会主義時代から続いている重要なビジネスである。

市場競争と新規事業の展開

スロバキアには、国内外から数十社が貨物列車の運行を行っており、厳しい競争が繰り広げられている。ZSSKカーゴは、トラック輸送を併用した小口貨物輸送や、新しい顧客開拓にも力を入れており、自動車メーカーへの輸送サービスを提供することでシェア拡大を目指している。

売却の動き

設立直後、2005年にはZSSKカーゴの売却が検討され、いくつかの企業が入札に参加した。アメリカのカーゴセントラルヨーロッパやオーストリアのレールカーゴオーストリアなどが候補だったが、政権交代によって売却は凍結された。その後も、チェコ鉄道の貨物子会社などが売却を目指して入札に参加したが、実現には至らなかった。

関連会社と事業展開

ZSSKカーゴは関連会社を持ち、インターモーダル輸送事業を行うZSSKカーゴ・インターモーダルや、貨物積替業務を行うバルクトランシップメントスロバキアなどがある。また、貨車の管理やリースを行うカーゴワゴン株式会社も関連会社として位置づけられています。

車両とその管理

ZSSKカーゴの保有車両は、スロバキア国鉄から継承した旧型車両が多いが、近年では新型機関車も導入されている。特に、国際貨物列車用の新しい電気機関車が2020年に配備され、輸送体制の近代化が進む一方、旧型機関車の廃車も進められています。

結論

鉄道企業体カーゴスロバキアは、スロバキア国内外の貨物運送において重要な役割を果たし続けています。新規顧客の開拓や効率的な輸送手段の確立を図る中、今後の成長と発展が期待される企業である。

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