鉄道工業

鉄道工業株式会社の歴史

鉄道工業株式会社（てつどうこうぎょう）は、かつて日本に存在した建設会社で、特に鉄道敷設工事を専門に請け負ったことで知られています。会社は1907年6月に設立され、創業者には菅原恒覧や星野鏡三郎が名を連ねました。当初の名称は「鉄道工業会社」であり、菅原恒覧が初代社長を務めました。

設立の経緯

設立当時、日本では鉄道国有法が施行されたばかりで、私鉄が国有化される中で、国が発注する鉄道工事の増加が見込まれていました。菅原はそれまで外国の技術や指導に依存していた土木業界に不満を抱き、最新のヨーロッパの技術と組織を取り入れた新たな形の総合請負業体を立ち上げることを決意しました。これにより、日本初の鉄道敷設に関する設計から施工までの一貫したサービスを提供することが可能になりました。

時が経つにつれ、菅原は鹿島組と共に鉄道請負業協会を設立し、土木業界の近代化を進める活動にも取り組みました。彼の取り組みは、当時の土木業界における抜本的な改革を促し、多くの実績を生む基盤となりました。

戦争と発展

1940年、初代社長の菅原恒覧が亡くなると、2代目には息子の菅原通済が就任しました。通済は、江ノ島や鎌倉の宅地開発で知られ、その政治力と実績から、他の業者との競争において優位に立つことができました。また、戦時中には朝鮮半島からの労働力を工事現場に動員するための割り当てを受けるなど、会社の力を背景に様々なプロジェクトに参加していました。

さらに、満州開拓政策に則った満州鉄道への進出も果たし、特に工事の技術力を発揮しました。全体として、鉄道工業株式会社は多くの地域やプロジェクトでその名を轟かせ、鉄道建設において重要な役割を果たしていました。

終焉と影響

戦後もしばらく事業を続けた鉄道工業株式会社ですが、菅原通済の関与が疑われた昭和電工事件や、通済が美術工芸品の収集に熱中していたことによる計画倒産の噂が影響し、最終的には清算され、その歴史に幕を閉じました。なお、現在存在する双葉鉄道工業や吉原鉄道工業、大阪鉄道工業とは一切関係がありません。

主な請負工事

鉄道工業株式会社は、特にトンネル工事において数多くの実績を収めており、東日本をはじめとして九州や北海道、さらには樺太にも進出していました。主要な請負工事の一部を以下に示します。

• - 国鉄線

- 山陰本線の餘部橋梁（旧橋梁）
- 富山線
- 中央本線の善知鳥トンネル
- 岩越線
- 丹那トンネル（東海道線の難工事で鹿島組と共同受注し熱海側を担当）

• - その他の土木工事

- 七川ダム

鉄道工業株式会社は、日本の鉄道建設史において重要な存在であり、その技術力や先進的な取り組みは、多くの発展に寄与しました。

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