鉾持神社

鉾持神社

概要

鉾持神社（ほこじじんじゃ）は、長野県伊那市高遠町西高遠に鎮座する神社です。721年（養老5年）に創建されたと伝えられ、1300年以上の歴史を持つ古社です。祭神は、天津彦火瓊瓊杵尊（あまつひこほのににぎのみこと）、天津彦火火出見尊（あまつひこほほでみのみこと）、大山祗命（おおやまつみのみこと）の三柱で、地元では「鉾持三社大権現」とも呼ばれ、崇敬を集めています。

歴史

神社の創建は、721年（養老5年）に信濃国司の小治田宅持（おはりだのやけもち）が、伊豆神社、箱根神社、三嶋大社の分霊を、高遠町の西部にある権現山から勧請したことに始まります。

その後、969年（安和2年）に信濃国司源重之（みなもとのしげゆき）によって、伊那郡笠原荘に遷座され、さらに1184年（元暦元年）には日野喜太夫宗滋（ひのきたゆうむねしげ）によって、現在の場所に移されました。

現在地への遷座後、1185年（文治元年）に旧所在地である伊那郡笠原荘の土中から「霊鉾」が発掘されたことから、鉾持神社と改称されました。この霊鉾は御神体として祀られ、「鉾持三社大権現」と尊称されるようになりました。

現在の本殿は、1774年（安永3年）に再建されたものです。神楽殿は1907年（明治40年）に建設され、拝殿は1915年（大正15年）に改築されました。本堂へと続く石段は321段あり、参道手前にはだるまなどが集められた場所があります。

十四日市（だるま市）

鉾持神社では、毎年2月11日に五穀豊穣を祈る祈年祭が行われます。この祭りは「十四日市（じゅうよっかいち）」と呼ばれ、室町時代から続く伝統的な行事です。

元々は、籾種の交換・販売や蚕種の販売が行われていましたが、明治時代の中頃からだるまの販売が始まり、現在では「だるま市」として親しまれています。伊那谷では唯一のだるま市であり、特に福をもたらすとされる「福だるま」を求める人々で賑わいます。

神社周辺一帯では、飾り人形が展示され、地元の産物などが販売されます。この「十四日市」という名前は、もともと旧暦の正月14日に行われていたことに由来しています。

境内

境内には、本殿、拝殿、神楽殿などがあります。本堂へと続く321段の石段は、参拝者にとっては一つの試練とも言えるでしょう。

アクセス

• - JR飯田線伊那市駅からバスで約30分
• - 中央自動車道伊那ICから車で約20分

参考文献

• - 高遠町教育委員会『高遠風土記』ほおずき書籍、2004年、68-70頁。
• - 高遠町誌編纂委員会『高遠町誌 下巻』高遠町誌刊行会、1979年、開始1266-1269頁。

外部リンク

• - 伊那市観光協会 鉾持神社

関連情報

• - 伊那市の名所・旧跡・観光スポット

もう一度検索