銀山城 (備後国)

銀山城の歴史と遺構

銀山城（ぎんざんじょう）は、広島県福山市の山手町に存在した戦国時代の山城で、備後地方南部を支配していた杉原氏の居城として名高い。

歴史

銀山城は、木梨杉原氏の一族である杉原匡信が築いたもので、以降は「山手杉原氏」として知られました。この城は毛利氏や尼子氏との戦闘にも使用され、戦国時代の激動の中でその役割を果たしました。杉原氏は、城の麓にある曹洞宗の三宝寺を菩提寺とし、匡信自身がその寺を建立しています。

3代目の城主、杉原盛重は毛利氏の傘下にあたる神辺城の主であった山名理興の家老を務め、理興の死を契機に神辺城の城主となりました。しかし、盛重の死後、家督を継いだ杉原元盛とその弟の杉原景盛との間で相続争いが勃発し、この内紛が原因で山手杉原氏は衰退し、最終的には城は廃城となりました。杉原氏が衰退した後には、高橋右馬允資高が城を引き継いだとされています。

遺構

銀山城は標高249.8メートルの高増山の山頂に築かれ、尾根の一部は堀切で切り離されています。城の具体的な範囲は東西150メートル、南北200メートルであり、そこには十数段の連郭や数条の竪堀が存在しています。これらの遺構は、現代においても備南地域の要害の一つとされており、杉原氏の力を示す証拠となっています。

城の配置は、北側を頂点とする逆V字型の小郭が周囲に配置され、城の中心は南側に向かう尾根に位置する三段構成の主城郭群です。この主城郭群の南には堀切を隔てて小郭が配置されています。また、南東側の尾根にも階段状に8段の小郭が広がっています。これらの構造は、当時の防御機能や戦略的な考慮が反映されていることを示しています。

アクセス

銀山城にアクセスするには、俄谷砂留や俄山弘法大師堂近くの不動院を起点として、西側の道を進む必要があります。曲がりくねった林道を約1.3キロメートル登ると、案内看板が現れ、そこから山道を10分ほど進んだ先に城跡があります。なお、近隣には駐車場はないため、自動車で訪れる際は俄谷砂留付近の駐車場を利用することをおすすめします。

特記事項

銀山城跡からの景観は非常に美しく、松永から福山方面にかけての広々とした平野や海岸線を一望することができます。また、福山市の「備陽史探訪の会」では、城周辺の草刈りや整備、実地測定、見学会などを定期的に行っています。これにより、城跡及びその周辺の保存活動が活発に行われています。

参考文献

• - 田口義之『備後の武将と山城』1986年、芦田川文庫。

関連項目

• - 神辺城
• - 神辺合戦

もう一度検索