銀座TSビル

銀座TSビルの歴史と変遷

銀座TSビル、旧称銀座東芝ビルは、東京都中央区銀座5丁目に位置していた歴史的建築物です。このビルは、東京電気（後の東芝）が本社用地として取得した土地に1932年に建設が始まり、1934年に竣工しました。当初は「マツダビルディング」と呼ばれ、当時の最先端の電気空調設備を備えていました。

建設と設計

設計を手がけたのは著名な建築家佐藤功一で、構造設計には内藤多仲が携わりました。ビルはケーソン工法を用いて施工され、建築当初は1階にマツダランプのショールームが設けられ、多くの来訪者を魅了しました。しかし、1943年に太平洋戦争の影響を受け、英語名称が不適切とされ「東芝館」に改名されました。

阪急百貨店の進出

1956年、このビルに阪急百貨店の2号店である「数寄屋橋阪急」がオープンしました。この開店に伴い、1966年にはビルの増築が行われ、地下1階とケーソンの間に地下2階が新たに設けられました。この増築工事では、構造的な変更もあり、建築業協会の第9回BCS賞を受賞するなど、注目を集めました。

時代の変化

1984年には、港区芝浦に新しい東芝の本社ビルが完成し、以降、銀座TSビルはオフィススペースとして賃貸利用されることとなりました。また、この年に有楽町マリオンに有楽町阪急がオープンし、銀座地区での阪急百貨店のブランドが強化されました。しかし、2004年に数寄屋橋阪急は、阪急商業開発に移管され、百貨店から専門店街「モザイク銀座阪急」に業態が変更されます。

売却と再開発

2007年には、東芝不動産が銀座TSビルを東急不動産系の合同会社に1,610億円で売却しました。再開発計画が進む中、モザイク銀座阪急の店舗立ち退きを求める東急不動産の訴訟が発生し、2011年には和解が成立しました。その結果、テナントとの契約が解除され、2012年からビルの解体工事が始まりました。

最終的な発展

2016年には、銀座TSビルの跡地に東急プラザ銀座が新たに開業しました。このビルは、過去の栄光を残しつつも、現代のニーズに応える形で生まれ変わりました。銀座TSビルは、東京のビジネスの中心地での歴史的な役割を果たしてきた建物として、多くの人々の記憶に刻まれています。

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