銀河英雄伝説の登場人物・自由惑星同盟

自由惑星同盟の英雄たち

本項では、田中芳樹氏の壮大なSF小説『銀河英雄伝説』に登場する、自由惑星同盟に所属する魅力的な人物たちを詳しく解説します。原作の記述・設定を基に、各人物の背景、性格、物語における役割を深掘りし、彼らがどのように物語を彩っているのかを紐解きます。

ヤン・ウェンリーとその縁者

ヤン・ウェンリー

同盟側の主人公であり、卓越した戦略と知略で数々の勝利を収めた名将。本編開始時は准将で第2艦隊次席幕僚でしたが、後に第13艦隊司令官、イゼルローン要塞司令官兼同要塞駐留艦隊司令官を歴任し、最終階級は元帥にまで昇りつめます。常に冷静沈着で、厭戦家でありながらも、同盟の自由と民主主義を守るために戦い続けます。

ユリアン・ミンツ

同盟側の準主人公であり、ヤンの養子。戦争孤児でしたが、ヤンの下で育ち、彼の後継者として成長します。物語終盤ではイゼルローン革命軍司令官となり、自由のために戦います。聡明で勇敢な少年であり、ヤンの思想を受け継ぎ、平和な世界を築くために尽力します。

フレデリカ・グリーンヒル

ヤンの副官であり、後に妻となる女性。宇宙艦隊総参謀長グリーンヒル大将の一人娘。聡明で有能な女性であり、ヤンを公私に渡って支え続けます。物語終盤ではイゼルローン共和政府主席となり、政治家として活躍します。

ヤン・タイロン

ヤンの父であり、交易商人。やり手の商売人として知られ、「金育ての名人」と呼ばれていました。古美術に傾倒しており、ルドルフが独裁者となった原因を「民衆が楽をしたがったから」と分析するなど、ヤンの歴史観や人格形成に大きな影響を与えました。

カトリーヌ・ルクレール・ヤン

ヤンの母。軍人の未亡人でしたが、タイロンと再婚しヤンを産みました。ヤンが5歳の時に亡くなりましたが、ヤンにとって「暖かくて優しい…」印象が残っているといいます。

元帥

ヤンの自宅で飼われているネコ。OVA版オリジナルキャラクターで、ユリアンが拾ってきたネコです。ヤンの日常を彩る存在として描かれています。

ヤン艦隊

正式名称は自由惑星同盟軍第13艦隊。イゼルローン駐留艦隊を兼務し、同盟滅亡後はイゼルローン革命軍となります。ヤン・ウェンリーを司令官とし、個性豊かなメンバーが集結しています。

アレックス・キャゼルヌ

同盟軍後方主任参謀であり、後にイゼルローン要塞事務総監、司令代理となります。事務処理能力に長け、ヤン艦隊を後方から支えます。

ムライ

第13艦隊の参謀長（首席幕僚）。堅苦しく神経質そうな中年男性ですが、緻密で整理された頭脳を持ち、情報処理や事務処理能力に優れています。常識と秩序を重んじ、アウトロー気質のヤン艦隊にあって組織秩序を守る役割を担います。

フョードル・パトリチェフ

第13艦隊の副参謀長（次席幕僚）。陽気で活力に満ちた巨漢で、兵士への叱咤激励役として活躍します。ムライと同様に作戦参謀としての役割は期待されていませんが、その存在が周囲に安堵感を与えます。

エドウィン・フィッシャー

第13艦隊の副司令官。「艦隊運用の名人」と評される老練な艦隊指揮官。寡黙で自己主張をあまりしない地味な人物ですが、ヤンから絶大な信頼を寄せられています。

ダスティ・アッテンボロー

第13艦隊分艦隊司令。また物語終盤では事実上のイゼルローン革命軍司令官代理として活躍します。

ワルター・フォン・シェーンコップ

ローゼンリッター連隊第13代連隊長。後にイゼルローン要塞防御指揮官として活躍します。

オリビエ・ポプラン

第13艦隊所属の単座式戦闘艇「スパルタニアン」のエースパイロット。撃墜王として名を馳せています。

ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ

帝国軍大将でしたが、後に同盟に亡命し、ヤン艦隊の客将となります。

バグダッシュ

情報主任幕僚。当初は救国軍事会議メンバーでしたが、後にヤン艦隊に転向します。諜報や破壊工作の専門家です。

薔薇の騎士（ローゼンリッター）連隊

帝国からの亡命者やその子孫で結成された陸戦隊。同盟軍最強の陸戦隊と評されています。正確な職制では独立した陸戦隊であり、ヤン艦隊指揮下ではありませんが、物語展開上ここで解説します。

カスパー・リンツ

ローゼンリッター連隊第14代連隊長。シェーンコップの信頼する部下として活躍し、シェーンコップがイゼルローン要塞防御指揮官になるのに伴って第14代連隊長となります。

ライナー・ブルームハルト

ローゼンリッター連隊長代行（本編登場時）。シェーンコップから高く評価され、リンツと共に古くから重用されています。

空戦隊

イワン・コーネフ

ヒューベリオン所属。第2空戦隊（コーネフ戦隊）戦隊長。ポプランと並ぶ作中屈指の空戦技術の達人であり、互いに信頼しあう親友のような関係です。

ウォーレン・ヒューズ

ヒューベリオン所属。スパルタニアンのパイロットで「スペードのエース」の称号を持つ撃墜王です。

サレ・アジズ・シェイクリ

ヒューベリオン所属。スパルタニアンのパイロットで「ダイヤのエース」の称号を持つ撃墜王です。

コールドウェル

ヒューベリオン所属。第2空戦隊（コーネフ戦隊）副戦隊長（のち戦隊長）。コーネフの戦死後に隊長代行として隊をまとめます。

カーテローゼ・フォン・クロイツェル

通称カリン。シェーンコップの娘（非嫡出子）。空戦隊所属。上官のポプランから第2のイワン・コーネフになれるかもしれない逸材と評されています。

ヤン艦隊の軍人

ルイ・マシュンゴ

正式な所属・役職は不明ですが、ヤン艦隊要人の護衛を務めることが多いです。筋肉質な巨体の黒人の軍人で、白兵戦においてはその肉体通りの暴力性を持ちます。

グエン・バン・ヒュー

イゼルローン駐留機動艦隊分艦隊司令官。猛将タイプの提督で、ヤンの指揮下では多大な攻撃力を発揮します。

スーン・スール

ビュコックの副官。後にヤン艦隊に入ります。容姿や言動は普通で、大過なく任務をこなす能力に秀でています。

ラオ

第2艦隊幕僚。のち第13艦隊の参謀（分艦隊主任参謀）。アスターテ会戦においてヤンを支え、その後もヤンの幕僚として彼を補佐します。

ベルンハルト・フォン・シュナイダー

帝国軍人でしたが、同盟に亡命し、ヤン艦隊に所属します。メルカッツを強く慕う青年士官です。

マリノ

戦艦ヒューベリオン艦長。のち分艦隊司令、准将。艦艇の艦長としての能力と艦隊指揮官としての能力を併せ持つ有能な軍人です。

アサドーラ・シャルチアン

戦艦ヒューベリオンの艦長（マリノの後任）。少なくとも一艦のリーダーとしては、統率力にも運用能力にも申し分のない人物で、ヤンから厚い信頼を受けます。

ニルソン

戦艦ユリシーズの艦長。強運のジンクスがあるユリシーズの艦長として、これに負けない能力を持ち、ユリアンから高く評価、信頼されています。

エダ

戦艦ユリシーズの副長。

フィールズ

戦艦ユリシーズの航法士官。

トダ

ヒューベリオン所属のスパルタニアンの整備主任。ポプランのスパルタニアンの機銃の照準が狂っていることを指摘され、彼と喧嘩になります。

ハムディ・アシュール

艦隊戦術オペレーターとしての優秀さで知られる軍人。メルカッツ麾下の「動くシャーウッドの森」に後から合流した軍人の一人です。

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