銚子町

銚子町（ちょうしまち）

銚子町は、かつて千葉県海上郡に存在した町で、現在の銚子市北東部、おおむね銚子駅の北側一帯に位置していました。現在の銚子市は1933年に新設合併によって誕生したものであり、旧銚子町とは別の自治体です。

地理

旧銚子町の町域は、現在の銚子市の町名でいうと、新生町、今宮町、上野町、唐子町、清川町、栄町、三軒町、台町、中央町、東芝町、双葉町、西芝町、妙見町、八幡町、若宮町にあたります。この地域は利根川の南岸に位置し、多くが平地となっています。

歴史

銚子町は、1889年（明治22年）4月1日の町村制施行に伴い、新生村、荒野村、今宮村が合併して誕生しました。交通の要所として、1897年（明治30年）6月1日に総武鉄道の成東駅 - 銚子駅間が延伸し、銚子駅が開業。さらに1900年（明治33年）3月28日には、銚子駅 - 新生駅間の貨物支線が開業しました（この支線は1978年に廃止）。
1907年（明治40年）9月1日には総武鉄道が国有化されました。そして、1933年（昭和8年）2月11日、本銚子町、西銚子町、豊浦村と合併し、銚子市が発足したことにより、銚子町は廃止されました。

経済

農業が主な産業であり、当時の篤農家としては、奥田長策、岡田源吉、宮内瑞枝、土谷安兵衛、青木與四郎、大里庄治郎、石上忠平、丸山榮三郎、長野喜久次郎などが知られていました（『大日本篤農家名鑑』より）。

教育施設

町内には、以下の教育施設がありました。

千葉県立銚子商業学校（現：千葉県立銚子商業高等学校）
千葉県立銚子高等女学校（現：千葉県立銚子高等学校）
銚子商業補習学校
銚子青年訓練所
銚子尋常高等小学校（現：銚子市立双葉小学校）
銚子尋常高等小学校附属幼稚園
銚子図書館
公正会館（現：銚子市中央地区コミュニティセンター、銚子市公正図書館）

これらの施設は、地域住民の教育と文化の向上に貢献しました。

交通

鉄道は、以下の路線が町内を走っていました。

日本国有鉄道（現：東日本旅客鉄道）
総武本線：銚子駅 - 新生駅（貨物駅）
銚子鉄道（現：銚子電気鉄道）
銚子鉄道線（現：銚子電気鉄道線）：銚子駅 - 仲ノ町駅

これらの鉄道は、人々の移動や物資の輸送に重要な役割を果たしました。

出身・ゆかりのある人物

銚子町出身、あるいはゆかりのある人物として、以下の人々が挙げられます。

岡田幸三郎（塩水港精糖社長）
五代上野松次郎（旧姓・鵜月、肥料商、栃木県多額納税者、資産家、上野松次郎商店代表取締役、衆議院議員）
和歌森太郎（歴史学者、民俗学者）

彼らは、それぞれの分野で多大な功績を残しました。

参考文献

大日本篤農家名鑑編纂所編『大日本篤農家名鑑』大日本篤農家名鑑編纂所、1910年。
衆議院事務局編『衆議院議員略歴 第1回乃至第19回』衆議院事務局、1936年。
角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 12 千葉県』角川書店、1984年。
『続銚子市史 1 昭和初期』、銚子市、1983年。

関連項目

千葉県の廃止市町村一覧

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